2008年03月23日

読書日記48:スタンレーの犬



タイトル:スタンレーの犬
作者:東直己
出版元:角川春樹事務所
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「スタンレーの、南シナ海の海岸の犬たち。ああいう、心の宝物が、まだこの旅では見つかっていない」
「そう・・・・」
「・・・イヅ君は、わたしの宝物よ。ウソじゃなくて、そう思う。でも、人間だし。人間じゃないもの、わたしのアプローチが適わない、そういうなにかがわたしは見たいの」
「この海?」
「海。空。太陽?光?真っ白い、とんでもなく広い、めまいがするほど眩しい雪原・・・。全部、どこか違うわ」
「南シナ海の犬は、どうして宝物になったの?」
「バカね。それがわかれば、苦労は何もないじゃないの。毎日宝物を発見しながら、毎日、生き生きと生きていけるじゃない。それがわからないから、旅に出るのに」

すべてを喪うかもしれない。だからこそ彼女は、何かを探し続ける。
札幌に身を寄せる十九歳の少年<ユビ>。彼の見えないチカラは、人々の物語を映し出す。


感想--------------------------------------------------
 この作家さんの作品ははじめて読みました。何とも不思議な作品です。恋愛作品ではないし、ミステリーやサスペンスとも微妙に違う。強いて言うなら、自分探しにでた二人の旅?かな?

 主人公の<ユビ>は、とある理由から大企業の女社長・香奈としばらくの間、北海道の旅に出ます。旅を続けるに連れて、何かを探している二人の交流が深まっていく・・・簡単に言うとそんな話です。その二人を追跡する組織がいたり、二人、それぞれの過去にはいろいろあったり・・・と後半に行くに従い、はらはらした展開が繰り広げられます。

 この作品を読んで、この作家さん、伝えたいことが山ほどあるのに、それをまだまだ全部は伝えられていないのではないかな?と思いました。全体を通して、なんとなく中途半端な気がします。ローズジェニーの話とか、雇い主の折井さんとの出会いとか、自信の過去とか、結局何も完結してない気がします。少し話が発散し過ぎている気がしました。

 でも、全体を通しての文体や文章力、表現力は素晴らしいと思います。他の作品も読んでみたいと思います。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):C
posted by taka at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする