2015年02月22日

コミック日記141:乙嫁語り 7巻



タイトル:乙嫁語り 7巻
作者:森薫
出版元:KADOKAWA/エンターブレイン
その他:

あらすじ----------------------------------------------
旅を続ける英国人スミスと案内人アリ。アラル海にある双子の村から山を越えて南下し、
たどり着いた場所はペルシア。
逗留先の主人から歓迎を受けるふたりであったが、そのウラでは第4の乙嫁アニスが、
誰にも打ち明けられない悩みを抱えていた……!

感想--------------------------------------------------
マンガ大賞も受賞した乙嫁語りの最新巻です。本巻からは新しい乙嫁、アニスが登場します。

大富豪の妻として寵愛を受け、何不自由なく暮らすアニス。しかし彼女の心はどこか満たされていなかった。そんな時、彼女は浴場でシーリーンという女性と出会う−。

前巻の乱戦とは違い、不穏な動きのない落ち着いたストーリーが展開します。何不自由なく暮らしながら心の中にどこか寂しさを抱え、満ち足りないものを感じるアニスと、そんなときに出会ったシーリーン。どこか対照的な二人はやがて姉妹妻となっていきます。

本巻はこれまでの巻と違い、描写の美しさが際立っていたり、物語の展開がどきどきするものだったり、というわけではなく、静かな物語が展開されていきます。一段落、といった巻でしょうか。

あとがきを読むとわかるのですが、本巻のキーワードでもある「姉妹妻」という女性同士が結婚する制度は当時、実際にあった制度で、一緒に住むことはもちろん、死後は財産分与を行なったりと、女性同士であること以外は本当の結婚と同じ制度のようです。こうした制度があること自体、もちろん知りもしませんでした。こうした制度のところまでしっかりと調べて描かれている点はやはりプロの漫画家と感じます。

本巻はもちろん、他の巻を読んでいても感じるのですが、「結婚」という制度はその土地の、その時期の風習によって大きく異なるものです。一夫多妻制だったり、娘の結婚を親が決めたり、女性同士の結婚があったりと、当時のこの地域の「結婚」という風習は日本のそれとは大きく異なるものだと感じます。

このように風習に大きく左右される「結婚」というものを主題として取り上げることで、著者は本シリーズを通じて当時の文化・風習を描きたかったのだろうな、と強く感じました。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
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2014年12月17日

コミック日記140:進撃の巨人(15)



タイトル:進撃の巨人(15)
作者:諫山 創
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

中央憲兵への取り調べにより、レイス家が本物の王家であることが判明。調査兵団は王政を打倒しクリスタ(ヒストリア・レイス)を女王に即位させようと動くが、中央憲兵の「対人制圧部隊」によりクリスタとエレンを奪われてしまう! エルヴィンも捕らえられ、解体寸前の調査兵団。起死回生の一手は果たして‥‥!?

感想--------------------------------------------------
「進撃の巨人」の十五巻です。実写映画化され、展覧会が開かれ、と相変わらずとどまるところを知らない人気ぶりです。

憲兵団の手を逃れ、現王政からの政権奪取を目指すリヴァイやエレンたち。調査兵団団長 エルヴィンが捕縛された中、ついに調査兵団も憲兵団への反撃を開始する―。

本巻も前巻に続き「巨人の謎」に迫る巻です。現行王政の闇、レイス家の謎、調査兵団の反攻と、巨人の戦いはなくともページを繰る手が止まらない巻となっています。民衆たちに伏せられた謎、民衆の反攻、そして一人一人の反攻が次第に隠された謎を明らかにしていきます。

本巻は特に強く感じるのですが、各登場人物の生き様が恰好いいです。特にエルヴィン団長、リヴァイ兵士長はその言葉に重みがあり、歴戦の勇士という生き様がその言葉に表れています。リヴァイの不器用さがまたいいです。彼が人気あるのもうなずけます。

ここのところ特にそうですが、エレン、ミカサ、アルミンといった当初の主人公メンバーよりもエルヴィン、リヴァイ、ハンジといった隊員たちの方が目立っていますね。新兵と訓練を積んだ戦士の違いでしょうか。隊を引っ張る彼らの姿が際立っており、物語をぐいぐいと引っ張っていきます。

物語のさいごでエレンの父親が登場し、ようやく物語が最初の一巻と繋がった印象です。王家とはなんなのか、レイス家とは何か、彼らとエレンの父親、エレンはどのようなつながりがあったのか、悲劇の幕開けに繋がる謎も解けそうで、次巻も目が離せないですね。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
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2014年12月07日

コミック日記139:新世紀エヴァンゲリオン (14)



タイトル:新世紀エヴァンゲリオン (14)

作者:貞本 義行 (著), カラー (その他)
出版元:KADOKAWA/角川書店
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「人類補完計画」が遂行されていく中、人々はLCLの海の中に飲みこまれていく。シンジはレイと相対し、彼が下した決断とは――? 累計2500万部突破の大ヒットコミックス、堂々の完結!!

感想--------------------------------------------------
コミック版 新世紀エヴァンゲリオンの最新巻です。さて劇場版エヴァンゲリヲンはいつ公開されるのでしょうか…?

全ての人間のATフィールドが消え、他人との境界が溶けていく中、シンジは−。

最新巻にして最終巻、完結の巻ですね。貞本版 エヴァの最終巻ということで、内容は旧作の劇場版エヴァンゲリオンとほぼ同じです。ただ一部違うところがあって、個人的にはこちらのエヴァの方が分かり易いと感じました。(「好き」と感じるかどうかは、また人次第ですが。)

大団円で、言いたいことも分かり易くて、未来に希望が持てて、ということで「キモチワルイ」で終わった旧作よりもだいぶいい気がします。ただまとまりすぎている感はありますね。なんだかよくわからなく、個人の解釈に委ねられてきた旧作には旧作のよさはあった気がします。

個人的な興味ですが、旧作の劇場版が公開されてから十年以上の歳月が流れていますが、それでもこの終わりは受け入れられるのでしょうか?主人公 碇シンジと他者との関係性、自分で自分を認めるまでの過程を描いた本作ですが、自分と他者との関係性はこの十年で随分と変わったような、全く変わっていないような気がします。

スマホやSNSで他者とは随分と簡単につながれるようになったけれど、それは表面的なもので、、、なんてどこかで聞いた言葉を言うつもりはありませんが、それでも私のようにオンタイムでエヴァを見ていた人間と、今、振り返ってエヴァを見る若者世代で受け止め方にどのような違いがあるのか、それはそれで興味があったりします。

きっとそうした違いを反映させてできあがるのが、次回の劇場版エヴァンゲリヲンなのでしょうね。そういう意味では人と人との関係性が変化し続ける限り、エヴァは新しい物語を紡ぎ続けるのかな、なんて思ったりもします。とりあえずの一段落、そしてこれから始まる物語への序章でもあるのでしょうか。巻末に付随されたExtraStageはまさにそんな印象ですね。劇場版を楽しみに待ちたいと思います。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
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2014年11月29日

コミック日記138:3月のライオン (10)



タイトル:3月のライオン (10)
作者:羽海野チカ
出版元:白泉社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
零と同じ高校に進学し、充実した日々を送るひなた。3年になり、やり直した高校生活を自分なりに振り返る零。2人のもとに思わぬ人物が現れて…。珠玉の第10巻!!

感想--------------------------------------------------
「3月のライオン」の十巻です。この作品は本当に面白いです。一年以上空いての、待ちに待っていた十巻ですね。

ひなたが無事に零と同じ学校に入学し、新しい高校生活が始まる。一方で川本家には望まれぬ訪問者が現れた−。

前作、「ハチミツとクローバー」に並ぶ十巻です。しかし物語りはまだまだ続いていきそうで、この作品がまだまだ読めるかと思うとそれは大きな喜びだったりします。

いじめを克服し、笑顔で零と高校に通えるようになったひなた。その高校生活は楽しくかつての辛さは微塵も見られません。しかし一方でまた新しい問題が川本家に来訪します。そしてその問題者への対峙の仕方に零の成長が見られますね。かつては自分のことだけを考え、他人の問題に首を突っ込むことなどなかった零。その零が他人のために奮闘していきます。

棋士として、そして人として成長を続ける零。そしてその零と同じように成長していく川本家の面々をはじめとする零の周囲の人々。その成長の表現方法や、一人一人の生き方を丁寧に描く描き方などは本当にうまいと感じます。本書後半の「望まれぬ来訪者」の話もそうですが、実は物語前半に出てくる零の対局者、入江の生き方の描き方も非常にうまい、と感じます。一人一人の生き方、考え方をどこまでも深く、丁寧に描くこのスタイルには本当に脱帽です。

自分の居場所を見つけ、未来に少し希望を見出すことができてきた零。そして身を挺して世話になっている川本家を守ろうとする零。傷付き、ゼロになった零は、周囲の人々のおかげでだいぶ復活できてきたのではないかと思います。そしてその復活の過程をここまで丁寧に描けている3月のライオンはやはりいい作品だ、と素直に思います。

いろいろと面白くなりそうな展開ですが、、、この先の物語の展開にも目を離せませんね。あと書きをみると作者は入院されたりもしているようですが、ぜひ健康になって続きを書いてほしいです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S
レビュープラス
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2014年11月15日

コミック日記137:ドリフターズ 第4巻 by平野耕太



タイトル:ドリフターズ 第4巻
作者:平野耕太
出版元:少年画報社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
戦中に異世界に迷い込んだ島津豊久は、織田信長や那須与一と共に、
漂流者として、サムライの誇りをかけた国盗りを開始! !
人間、エルフ、ドワーフを味方にして快進撃の中、豊久の前に立ちはだかる敵は……! ?
歴史上の英雄たちのアクションファンタジー! !

感想--------------------------------------------------
ドリフターズの四巻です。三巻が出てからかなり間が空いていますが、、、ようやく出たといった感じです。

オルテの首都ヴェルリナを強襲した島津豊久ら漂流者たち。迎え撃つは廃棄物の一人、土方歳三。時代を超えて戦国と幕末の英雄同士がぶつかり合う−!!

何も考えずに読める本です。時代と国を超えて、偉人や英雄同士がぶつかりあったら−。そんな想像のままに作品を仕上げた、といった感じの話で、ああ、こんな英雄も現れるのか−といった形で楽しむことができます。まあ、残酷描写満載ですが。

一つの国を乗っ取ったことで、物語はまた動き出します。オルテ帝国だけでなく商業ギルド連合が現れ、北方の亜人が現れ、明智光秀が現れ、と何でもありの展開になってきています。

織田信長に那須与一、そして島津豊久。その三人が主軸ですが、他にも現れる数多くの時代を超えた英雄たち。「もし彼らがぶつかりあったら」みたいな空想が現実になるのがこの作品の見所です。そしてもう一つが主人公である島津豊久の戦人としての生き方です。彼の戦人としての生き方に敵も味方も引きずられていきますね。それは本巻の見所である土方歳三との戦いでも生きています。

本作は面白いのですが、一巻出るまでに優に一年はかかるので、その辺りが惜しいですね。ぜひもっと高い頻度で出て欲しい作品です。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
posted by taka at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする