2012年03月28日

読書日記338:ビブリア古書堂の事件手帖 2 by三上延



タイトル:ビブリア古書堂の事件手帖 2
作者:三上 延
出版元:アスキー・メディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。変わらないことも一つあるーそれは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていきー。


感想--------------------------------------------------
先日読んだ、「ビブリア古書堂事件手帖」の続編です。一巻が面白かったので続けて読んでみました。

北鎌倉に佇むビブリア古書堂。そこの店長は本に関することとなると抜群の冴えを見せる美人の女性だった。そして、その店長と身体の大きな店員の下には今日も新たな謎が持ち込まれる−。

本作は一巻と同様に各章が本のタイトルとなっており、その本に纏わる謎を店長こと篠川栞子さんと、店員こと五浦大輔が解いていきます。本巻に収録されている本は、『クラクラ日記』、『時計仕掛けのオレンジ』、『名言随筆 サラリーマン』、『UTOPIA 最後の世界大戦』の四作です。『時計仕掛けのオレンジ』はスタンリー・キューブリックが映画化していますので有名ですが、他の作品は全く知りませんでした。特に『UTOPIA 最後の世界大戦』がドラえもんの作者で有名な藤子不二雄(足塚不二雄)さんの作品であることは初めて知りました。

どの章も一巻と変わらず面白いですね。特に面白かったのは大輔と栞子の過去が垣間見れる『名言随筆 サラリーマン』と『UTOPIA 最後の世界大戦』の二編でしょうか。大輔の学生時代の話や、栞子の母親の話を通じて少しずつわかっていく栞子の過去が読者をさらに惹き付けます。

一巻、二巻を通じて思うのですが、本書は各章のタイトルとなっている本の話が主ではありますが、それ以上に大輔や栞子といった登場人物が良く描かれていますね。主人公の大輔と栞子は言うに及ばず、彼らを取り巻く人間達もみな優しく、丁寧に描かれています。登場人物に、「この人はちょっと……」といった人がおらず、好感と安心をもって物語を読み進めることができます。

大輔と栞子の関係の進め方は、「ああ、ラノベだな」って思います。でもそれが決して嫌ではありません。むしろこの焦れったさや、もどかしさも本作の魅力にもなっていると思います。

あときには、作者の言葉で「物語はようやく本編というところです」と書かれていました。これは嬉しい言葉ですね。この物語がまだまだ読めるということですから。本作はその底に漂う大輔と栞子を包む優しさがいいですね。次巻以降も読む予定です。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 三上 延 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月04日

読書日記333:ビブリア古書堂の事件手帖 by三上 延



タイトル:ビブリア古書堂の事件手帖-栞子さんと奇妙な客人たち
作者:三上 延
出版元:アスキーメディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。


感想--------------------------------------------------
本書はよく行く本屋にずっと山積みにされていた本です。聞いたことの無い作家さんの名前とラノベちっくな表紙の絵に最初は手に取ることを躊躇っていたのですが、「本の雑誌が選ぶ2011年度文庫ベストテン第1位」、「オリコン週刊"本"ランキング文庫部門1位」などに輝き、さらに本屋大賞の候補にも選ばれているのを見て読んでみようと思いました。

本を読みたいのに読むと身体が拒否反応を示す五浦大輔はひょんなことからビブリア古書堂という古本屋で働くことになる。そこの店主は本のこととなると抜群の冴えを発揮する美しい女性だった−。

本書は古書に纏わる様々な謎をビブリア古書堂の美人の店主とその店員が解き明かして行く、というストーリーです。作品は全四話+プロローグ/エピローグから構成されており、各話には「夏目漱石『漱石全集・新書版』」という具合に古書の名前がタイトルとしてつけられています。

メディアワークス文庫ということでライトノベルかと思っていたのですが、意外と中身は硬派で落ち着いています。古書を巡る様々な謎を、入院中の美人店主が安楽椅子探偵として解いて行くのですが、人情的な話が多くしっかりと読者の心を捕らえて放しません。物語の作りもうまく、登場人物も皆、個性的でしっかりと立っています。ラノベ的な展開も、美人店主と主人公の大輔の間で少しだけあるのですが、あまり気にはなりません。さらっと読めて本好きなら万人が楽しめる本だと思います。


しかし著者の古本に対する知識、造詣は深いですね。恥ずかしながら私は「せどり屋」っていう単語を本書で初めて知りました。どういった書籍が高額で取引されるのか、とか「私本」とか「官本」とか、そういった用語も初めて知り、非常に勉強になりました。

本作は既に続編も出ていますね。このキャラクター、テーマであればかなりの巻数を重ねて行くことも可能ではないかと思います。主人公:大輔と店主:栞子の行方も気になりますし、続編は必ず読むと思います。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 07:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 三上 延 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする