2011年02月12日

読書日記254:傾物語 by西尾維新



タイトル:傾物語
作者:西尾維新
出版元:
その他:

あらすじ----------------------------------------------
“変わらないものなどないというのならー運命にも変わってもらうとしよう”。迷子の小学生・八九寺真宵。阿良々木暦が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとはー!?“物語”史上最強の二人組が“運命”という名の戦場に挑む。


感想--------------------------------------------------
三ヶ月に一冊ずつ発売される予定の西尾維新さんの「物語」シリーズ。本作は2010年12月に発売された、今のところの最新作です。収録されているのは「まよいキョンシー」。浮遊霊、八九寺真宵の話です。語り手はこれまで同様、暦に戻っています。よく考えればわかるのですが、語り手として成立するのは暦と委員長くらいしかいないですね・・・。真宵が語り手かと思っていたのですが、これはあり得ないことに気がつきました。

読み進んでいくとわかりますが、八九寺真宵の話です、と書きましたが、これは嘘でした。八九寺真宵の話のように思われましたが、実は忍野忍の話です。鉄血で冷血、最強の吸血鬼にして怪異の王である忍野忍とその眷属になってしまった阿良々木暦の話でした。あとがきで作者曰く「阿良々木くんと幼女しか出てこない話を書きたかった」とか…。確かに幼女姿の忍と小学生の八九寺くらいしか出てこないですね…。でもなんか動機がやばそうです。

相変わらず西尾維新さんの作品らしいのりの話です。ひたすらに会話で紡がれていくストーリー、のりのいい会話、今回はこれまであまり前面にでてこなかった忍が前面にでてきているので一味違ったストーリーのイメージですね。…しかしこの会話によって紡がれるストーリーは徹底していますね…。時間移動しようが世界が滅びようが、常に変わらないこの会話とのり。いいです。

物語上、最強の力を持ち、今回は運命を敵に回して戦う暦と忍。力がありすぎる二人なので、今回はいつもと物語の展開がちょっと異なります。「この展開、収拾つくのか?」なんて思ってしまいますが、ちゃんと収拾していくところはさすがです。最後まで読んだところで、「え?なんでこれで元の世界に戻ってこれるの?元通りなの?だって八九寺、XXXXXじゃん」なんて思ってしまうのですが、それはご愛嬌ですかね…。

あと、前作「猫物語(白)」から本シリーズは新シリーズに入っていますが、新シリーズに入ってから主人公の阿良々木くんがだいぶかっこよくなっていますね。いっつもフルボッコにされていたイメージがあるのですが、新シリーズに入ってからは一度もフルボッコにされていません(!)。これがどこまで続くかとても楽しみです。

あともう一つ、西尾維新さんは物語の締め方がとてもうまいですね。これは戯れ言シリーズの頃から感じていたのですが、本作でもそれを感じました。うまくまとめようとはしてないのに、良い終わり方になっている。そんな終わり方です。

さて次回作の「花物語」は三月刊行予定ですね。収録されているのは「するがデビル」。人格的に最も問題のありそうな神原するがの話ですね。あと少し、楽しみに待つことにします。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
posted by taka at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 西尾 維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月19日

読書日記250:猫物語 (白) by西尾維新



タイトル:猫物語 (白)
作者:西尾 維新
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
君がため、産み落とされたバケモノだ。
完全無欠の委員長、羽川翼は二学期の初日、一頭の虎に、睨まれた-。
それは空しい独白で、届く宛のない告白…
<物語>シリーズは今、予測不能の新章に突入する!



感想--------------------------------------------------
出せば必ずオリコンの売り上げランキング上位、西尾維新さんの作品です。三か月に一冊ずつ刊行していく新シリーズの二作目です。どうやら正確には本作「猫物語(白)」からが新シリーズとなるようですね。

絶対無比、完璧なる委員長、羽川翼はある日、一頭の虎と出会ったー。

いいですね、相変わらず西尾維新さんの持ち味、全開です。
「物語」シリーズはこれまでは全ての作品が主人公の阿良々木暦の視点から語られていたのですが、本作は完全無欠の委員長、羽川翼の視点から物語が語られていきます。そしてさらに、本作は「二学期の初日」を舞台としており、これまでの作品よりも時間的に進んでいます。つまり、これまでの物語よりも未来の話を扱っています。過去に遡って展開される話が多かった本シリーズですが、とうとう物語も新しい局面に入るのですね。

本作はこれまでと違って羽川翼という女子生徒の視点で語られているため、物語の展開がこれまでの作品よりも随分としっかりしているような気がします。語り部の羽川翼が真面目な委員長キャラなので必然的に物語もしっかりとしてくるのでしょうね。また阿良々木暦以外はほぼ女子キャラしかいない本シリーズで、女子が語り部になることでだいぶこれまでのヤバさがなくなっています。これも特筆すべき点かと思います。まあ、女子同士の会話の中にもだいぶヤバさが垣間みられますが・・・。
本シリーズはその会話のヤバさが売りの一つなので、そこを目当ての人にはこれまでの作品よりもがっかりするかもしれません。

本作は一言で言ってしまうと羽川翼の成長の物語ですね。
戦場ヶ原ひたぎをして「化物」と言わしめた翼。その「化物」になった理由と、本当の自分を取り戻すまでの物語です。これまでのシリーズ作品の中でもかなりすっきりと終わった作品なのではないでしょうか。読んでいて素直に面白かったです。

個人的には戦場ヶ原ひたぎが久しぶりに大いに活躍しているので、楽しく読むことができました。(「更生した」と言う割にはあまりキャラクターが変わっていない気がしますが・・・。)あと阿良々木暦、かっこ良すぎですね。台詞を読んで、思わずワンピースの赤髪のシャンクスを思い出しました。成長したものだ・・・。

次回作以降もきっと阿良々木暦ではなく、各物語の主役となる女子目線で語られるのではないでしょうか。次の「傾物語」ももうでていますね。読む予定です。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
posted by taka at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 西尾 維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

読書日記221:猫物語(黒) by西尾維新



タイトル:猫物語 (黒)
作者:西尾 維新
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
完全無欠の委員長、羽川翼。阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられたー。それは、誰かに禁じられた遊び…人が獣に至る物語。封印された“悪夢の九日間”は、今その姿をあらわにする!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!知らぬまに、落ちているのが初恋だ。


感想--------------------------------------------------
西尾維新さんの最新作です。本シリーズは前作の「偽物語」で終わりだと思っていたのですが、まだまだ続くのですね。本作は売り上げと同時にオリコンのほんの売り上げランキングで一位を達成しています。本を出せば常に売り上げの上位…。凄いですね。こんな作家は西尾維新さんか東野圭吾さんくらいではないでしょうか。恐るべし、西尾維新、です。

直江津高校に通う阿良々木暦の同級生、完全無欠の優等生、羽川翼は猫にとり憑かれ−。

本作は「化物語(下)」で語られることのなかった、ゴールデンウィークでの暦と翼のお話です。主要メンバーと出会う前の、いわば本編の過去の話ですので戦場ヶ原ひたぎなどの主要メンバーは出てきません。出てきませんが−「偽物語」の主人公でもあった妹二人は出てきます。

まあ西尾維新さんの作品を読んだことのある方なら御存知かと思いますが、西尾維新さんの作品ではでストーリーはあまり大きな意味を持ちません。主人公の暦と各登場人物の掛け合いが持ち味ですね。本作でもまずは妹二人と暦の掛け合いだけで約100ページ…。全300ページの1/3を使って全くストーリーが進まない話を展開しているのに、この掛け合いはこれでめちゃくちゃ面白いです。寝ている実の兄をバールで叩き起こしにくる妹、そしてそこから展開されるどこまでも軽いノリの会話、私は大好きです。

後半に入ると物語は翼を巡ってややシリアスな展開を見せます。やはり目立つのは西尾維新さんの文章のうまさですね。なんでもないことが西尾維新さんの文章にかかるとひどく重要なことに思えてきて、物語の鍵になったりします。

こういう本がオリコンの一位の常連になるとは−。どのような本が今の日本の市場で支持されるのか、潜在的なニーズがあるのか、考えさせられますね。私もライトノベルはあまり読みませんが、西尾維新さんだけはほとんど全部読んでます。それだけ面白いです。
さて、「化物語」のシリーズですが、これから約三ヶ月おきに「猫物語(白)」、「傾物語」、「花物語」、「囮物語」、「鬼物語」、「恋物語」とあと六作でるそうです。最後の「恋物語」のサブタイトルが「ひたぎエンド」。…計算されていますね。これはきっと、いや間違いなく全作買ってしまうだろうな…。「傷物語」のアニメ化も決定したそうですし、これからもどんどんアニメ化もされていくのでしょうね。講談社、さすがにうまいなあ。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
タグ:書評 猫物語
posted by taka at 22:26| Comment(2) | TrackBack(2) | 西尾 維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月05日

読書日記207:零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係 by西尾維新



タイトル:零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係
作者:西尾維新
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「零崎一賊」-それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
死んだ人間みたいな目をした少年と、顔面刺青の殺人鬼。二人の出会いが、そして語られることのなかった京都連続通り魔事件の真相がついに明かされる! 零崎人識の動機と、その無惨なる結末は・・・!?


感想--------------------------------------------------
 四冊同時刊行の西尾維新さんの人間シリーズの最終巻です。本作は戯れ言使いとの関係。戯れ言使いー言わずと知れた「クビキリサイクル」から始まる戯れ言シリーズの主人公ですね。

京都の街で起こる12件の連続殺人。その真相とは・・・!?

 本作は四冊同時刊行の本の中でも異質な一冊だと言えると思います。
 まず主人公の視点が、他の作品では殺人鬼:零崎人識の視点から語られていましたが、本作では各章毎に異なる人物の視点から語られています。それも佐々沙咲(ささささき)や木賀峰約(きがみねやく)、七々見奈波(ななななみななみ)といった、個性的な面々ばかりの本シリーズの中では異端とも言える「(割と)普通の人」の視点から語られる物語となっています(名前は変だけど)。
 本作の最初で語られていますが、本作での零崎人識の相手は「一般人」だそうです。だからこんな面子を揃えたんでしょうね。

 あと、本作に限っては戯れ言シリーズを読んでおかないとよく分からないかもしれません。特に二作目の「クビシメロマンチスト」は必読です。「クビシメロマンチスト」が表だとすると、本作は裏になります。

 さて、本作の感想ですが、、、私的にはいまいちでした・・・。面子が普通過ぎるからかもしれませんね。いまいち盛り上がりに欠ける気がします。青色サヴァンとか赤い最強とかも出てくるのですが、ほんの少しです。推理小説に関する蘊蓄みたいな話が結構展開されるのですが、それは個人的には割と○です。面白いです。ただ、繰り返しになりますが展開が普通過ぎる・・・。というか「クビシメロマンチスト」を読んでいればだいたい流れは分かってしまいますしね・・・。

 本作の見所を敢えてあげるとすると、戯れ言使いが出てくる(ほんの少し)、青色サヴァンも出てくる(ほんの少し)といったところでしょうか。二人とも主体にはなりません、残念ながら。

 四作を読んでの感想ですが、私的には「無桐伊織との関係」が一番面白かったです。ページ数もあるし、ド派手なキャラはてんこもりだし。何より赤い最強と橙なる最終の戦いが読めるだけでも読みがいはあります。その次は「匂宮出夢との関係」で、次に「零崎双識との関係」、最後が「戯れ言使いとの関係」ですね。つまるところ、ド派手なバトル系が好きだということです。

 さて西尾維新さんの本シリーズはもうこれで終わりなのでしょうか?赤い最強の話が書かれているとの噂もありますが、、、本シリーズはとても面白かったので、ぜひまた何か読んでみたいです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
posted by taka at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 西尾 維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

読書日記204:零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 by西尾維新



タイトル:零崎人識の人間関係 零崎双識との関係
作者:西尾 維新
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「零崎一賊」--それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
零崎人識、17歳、もっとも自由だった全盛期の春。“殺し名”七名の対極に位置する“呪い名”六名--時宮病院、罪口商会、拭森動物園、死吹製作所、奇野師団、咎凪党--の寄せ集め、裏切同盟と兄・零崎双識との戦闘に、彼は否応なく巻き込まれ--


感想--------------------------------------------------
 零崎人識の人間関係シリーズの三作目です。今回は兄である零崎双識との関係。殺し名第三位の零崎一賊の長兄にしてマインドレンデルと呼ばれる大鋏を武器に戦う零崎一賊最強の男、零崎双識。その活躍がふんだんに見られるかと思いきや…。うーん残念、双識はほとんど出てきませんねー。人識くんを双識と勘違いした呪い名:六名と人識くんのバトルのお話です。

 呪い名六名の集団、裏切り同盟。序列一位の時宮から六位の咎凪までの全員ともが超能力のような技術を備えた異能力集団であり、その彼らが人識くんに襲いかかるわけですが…。うーん、まあこんな感じの結末だろうなあ、と思ってしまいました。
 ぶっちゃけ、弱すぎます、裏切り同盟…。出てくるキャラクターがみんな何かしらの能力を持っているのでそれはとても楽しませてくれるのですが、トータルで160ページ程度なのに、そこで六人出てくるわけなのでねえ…。まあ、あまりに一人一人の登場や戦闘があっさりしていて、申し訳ないですが、多少の物足りなさは感じました。

 人識くんがメインで、しかも殺人鬼として絶頂期の時代なので、彼のファンの人は非常に楽しめるのではないかと思います。ただ、他の作品のように、哀川潤や匂宮出夢のような個性的なサブキャラクターがあまり出てこないので、そういう展開が好きな私みたいな人にはいまいちですね。ただ、零崎一賊の有名どころはみんな出てきます。マインドレンデルの双識以外にも、シームレスバイアスの軋識、ボルトキープの曲識。彼らの活躍が少しは見ることが出来るので、その点は良かったです。

 あと、最後に少しだけ双識が出てくるのですが、そこでの人識との絡みはなんかいいですね。やはり兄弟ですね。お兄ちゃんと弟、という感じですか。

 残るは後一冊、「零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係」だけですね。どんな順番で読んでもいい、と書かれていますが、作品の並びを見ると、「匂宮出夢との関係」→「無桐伊織との関係」→「零崎双識との関係」→「戯れ言遣いとの関係」が正しい順のようです。人間シリーズの最終巻、楽しみです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
posted by taka at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 西尾 維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする