2015年10月04日

読書日記561:キノの旅 (3) The Beautiful World



タイトル:キノの旅 (3) The Beautiful World
作者:時雨沢 恵一
出版元:メディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
真っ白だった。上も、下も、右も、左も、ただ白かった。「見事に何も見えないな」「見事に何も見えないね」「でも、すぐにまた、見えるようになる」「見えるようになるだろうね」「ねぇ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする?ちょっと嬉しくない?」「ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね」「晴れたら、どうするつもり?」「そうだな…、ここにいても仕方がないし、ボクにできることもない。出発するだろうな。それだけだ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第3弾。

感想--------------------------------------------------
キノの旅の第三巻です。二巻を読んでいないのですが、それで三巻を読んでもほとんど違和感を感じないのが本作のいいところです。

キノとエルメスは本作でもいくつもの国を巡り各国で様々な人々と出会っていきます。キノとエルメスが傍観者と言う立場であることは変わりません。どの国にも少し不思議な風習や文化があったりして、時に多くの人が殺されたり、殺したりしています。

本作で私の印象に残ったのは、「城壁のない国」と「同じ顔の国」です。詳細は読んでいただきたいのですが、本作に登場する国に住む人たちはみな精一杯生きているはずなのにどこか滑稽で、その滑稽さのままに死んだり、生きたりしています。人間の一生なんて、そんなもんだよ、と言われているようでもあったりして、人生を振り返るとそのように感じられたりすることもある気がします。

キノとエルメスの視点に身を置いて、自分を客観的に見るとどう見えるのか、ちょっと怖い気もしますね。しかし一方でそうした視点の旅人は、人生において絶対に必要なんだろうとも感じました。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
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2015年07月04日

読書日記547:キノの旅 The beautiful world



タイトル:キノの旅 The beautiful world

作者:時雨沢恵一 (著), 黒星紅白 (イラスト)
出版元:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------


感想--------------------------------------------------
私はあまりライトノベル(通称 ラノベ)を読む方ではありません。今の世の中、ラノベが大盛況で、多くの人が読んでいますし、アニメ化などもされていますが、私にはどれもが画一的で、似たり寄ったりの展開に見えてしまうんですね。主人公の男子がその他大勢の女子と、恋愛し、バトルし。。。といった感じで、確かに名作もあるのでしょうし、読まず嫌い的な側面もあるかもしれませんが、あまり読む気には慣れていないのが現状です。

そんな私でも、「このラノベは読んでみたい」と思っていたのが本作「キノの旅」です。一般的なラノベとは異なった独特な展開、そして寓話的にさえ思えるストーリーに、一度は読んでみたいと思っていましたが、手に取る機会に巡り合いました。ちなみに本作はシリーズ化されており二十冊近く本が出ています。またラノベとしての評価も非常に高い本でありながら、「中学100選」の本にも選ばれているような本です。

本作は、主人公である拳銃(物語中ではパースエイダーと呼ばれている)の名手キノと、彼の乗る喋るバイク(物語中ではモトラドと呼ばれている)が様々な国を旅する物語を描いた短編集です。どの国にも共通しているのは壁に囲まれていることくらいで、各章の名前は「平和な国」や「大人の国」、「多数決の国」という形に二人が旅した国の名前そのままとなっています。
各国は、もちろんそのままタイトルのような国であるわけではなく、「他者を蹂躙することで成り立っている平和な国」や、「最後の一人がいなくなるまで多数決を繰り返した国」など寓話的な国が多く、そこには「本当の平和とは?」とか「多数決って?」などといったことを考えさせる寓意が含まれています。そしてこの部分の見せ方が非常に上手いです。

寓話部分ともう一つの本作の魅力は、やはり主人公であるキノとエルメスのキャラクターと、その二人の各国の人たちとの関わり合い方です。どこかおかしな各国の人々を、キノとエルメスは極めて中立的な立場から、時には冷たいと感じさせるほどの冷静さで見つめます。そして各国の人たちに放つ言葉や弾丸は、そのまま読み手にも向けられます。「いまの世界の常識って、本当にそれでいいの?」と。

この本は単なるラノベに収まりませんね。萌え系の女子が出てくるわけでもなし、世界をかけた壮大な戦いが繰り広げられるわけでもありません。淡々と旅するキノたちの姿が描かれるだけですが、それでもこの物語は深く、読み手の心に残ります。本嫌いの人が読書を始めるきっかけになるような本だと感じました。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
posted by taka at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

読書日記5:D.D.D2

最近、ようやく涼しくなってきましたね。このまま涼しく
なってくれるといいのですが・・・。



タイトル:DDD 2
作者:奈須きのこ
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
2004年8月、オリガ記念病院から退院したばかりの左腕の失い男、石杖所在と漆黒の義手を義足を纏う加遼海江は、SVSと呼ばれる「死のゲーム」に巻き込まれる。"シンカー"と称されるA異常感染者、俗称"悪魔憑き"。二年前に行方を眩ました、灼熱の殺人鬼。そして二人の天才野球選手―。
彼らの失われた夏の跡を消し去るように、所在と海江の一度目の"悪魔払い"が行なわれる―


感想--------------------------------------------------
奈須きのこさんの原作の若者向けホラー・サスペンス(?)の第二巻です。片腕がなく、夜になると昼間の出来事を全て忘れてしまう主人公・石杖所在と四肢のない加遼海江が”悪魔払い”を行なっていくストーリー。今回は一巻よりも過去の話になります。
 さて・・待ちに待っていた第二巻です!奈須きのこさんの原作は、空の境界、Fate、月姫を読んで(見て)、どの作品も素晴らしいと思っていましたが、このD.D.Dも素晴らしいです。独特の文調・登場人物が物語のおどろおどろしい雰囲気をかもし出し、物語の奥行きを深めています。そしてストーリー!第二巻には3話掲載されていますが、どれも秀逸と感じました。特に、第一話の最後、シンカー対スラッガーの最後の一球を投げるシンカーのシーンにはぞくぞくさせられました。表現力見事すぎです。この方の作品ではあえて表現を直接的にしていないため、ややわかりにくい部分もあるのですが、それを差し引いても、展開や表現は素晴らしいと感じました。そして第三話の終わり方!きっと3巻では激闘が繰り広げられるのでは?!嫌が応にも3巻への期待が高まります。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
posted by taka at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする