読書日記788:マルドゥック・アノニマス 9

タイトル:マルドゥック・アノニマス 9
作者:冲方丁
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
〈クインテット〉と袂を分かち、〈イースターズ・オフィス〉に身を寄せたシルヴィア。〈シザース〉を加えた三つ巴の争いの行方。

感想--------------------------------------------------
冲方丁さんのマルドゥック アノニマスシリーズの最新刊です。もう9巻なんですね。このシリーズはずっと読み続けようかと思っています。

ハンターの共感から外れたシルヴィアとラスティ。シルヴィアを確保したバロットたちは、ハンター攻略の糸口を探そうとするがー。

8巻はハンターの組織を中心としたほぼバトルだけの巻でしたが、本巻ではハンター、バロットたちの描写が切り替わりながらそれぞれの思惑が描かれています。個人的には本巻の方が好みです。バトル描写だとどうしても主人公であるバロットの強さがきわだちすぎるので(それはそれでいいのですが)、各人の思惑が交錯する本巻のような進め方の方が、登場人物が多い本作だと読んでいて面白く感じます。

しかし登場人物が多いですねー。もはや覚えきれなくなってきました(笑)。本巻ではミステリー要素も増えてきていますが、飽きさせない工夫を凝らそうとしているのかな、と感じられました。さすがに9巻まで続くと、どんな作品でも少しだれてくるなあ、とは感じてしまいます。

個人的には共感を得られなくなった理由と、シザースたちの暗躍、そしてシザースたちの女王、ナタリアの今後の活躍に期待大ですね。特に意識を共有し、政治力を武器に暗躍するシザースたちとの闘いはどのように描かれていくのか、とても楽しみでもあります。

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