読書日記761:天才はあきらめた


タイトル:天才はあきらめた
作者:山里 亮太
出版元:朝日新聞出版
その他:

あらすじ----------------------------------------------
『天才はあきらめた』は、
山里亮太さんが格好悪いこと、情けないことも全て書いた、
芸人の魂の記録です。

本書には、相方であるしずちゃんに対して、映画「フラガール」出演オファーもみ消し未遂事件など秘話なども掲載されていることから、6月5日の女優・蒼井優さんとの入籍記者会見直後から、注文が殺到。Amazonの和書総合ランキング1位を独走するなど売れ続け、朝日新聞出版では急遽8刷3万部の大型重版を決定。それでも追加注文のペースが止まらず、更に9刷2万部の重版を決定いたしました。重版分は「祝・ご結婚」特別帯で出荷します。

感想--------------------------------------------------
「天才はあきらめた」そのタイトルを見て「?」となりました。本書は南海キャンディーズの山里さんの自叙伝です。子供の頃から学生時代を経て、お笑い芸人となり、今に至るその経緯と思ったこと感じたことを細かに書いています。

同じお笑い芸人であり、本書のあとがきも描かれているオードリーの若林さんの著書、「ナナメの夕暮れ」と比べると、だいぶトーンが違うなあ、と感じます。お二人ともどちらかというと内向的、人見知りな印象ですが、感じ方が繊細な若林さんと、自分を叱咤し追い込む山里さん、という印象です。

お笑い芸人を志し、幾つかのコンビを組んでそこでの出会いと別れを経てしずちゃんと出会う山里さん。それまでの相方との別れの部分は正直言って読んでいて辛いです。。。相方に多くを求め、パワハラ的な行動を繰り返す山里さん。しかしそれを今の時点から振り返り、しっかりと批評できる点は素晴らしいと感じます。自分のしてきたパワハラを認められず、「え?俺何も悪いことしてないけど?」的な真性パワハラ人間とは一線を画していると感じます。

嫉妬や怒り、復讐心といったネガティブな感情をプラスに変えて努力できること。

これがまさに山里さんの天才的な部分だと思います。努力の天才。努力するための燃料を生み出し、そこに火をつけることの天才。しらけたり諦めたりせずにひたすら努力することで、多くの人を惹きつけ巻き込む天才。あとがきの若林さんの言葉が蘇ります。「山里亮太を天才と思わない人はいるのだろうか?」

自分の中で行き詰まった時、いつもいい出会いが、いい仲間が助けてくれる。いや、「助けてくれる」と思うことができる。これが山里亮太の人となりであり、よさなんだろうな、と思います。私もいつも番組見ていますがこの人が出るだけで見ようかな、と思います。

若林さんのあとがきも秀逸。あとがきにも書かれている通り山里さんは会話でのボキャブラリーの豊富さ、その反射速度は比類なく素晴らしいと思う。でも文章としての面白さは若林さんの方が上だと個人的には思う。簡潔な単語と文で、言いたいことをしっかりと伝えられている。そしてお笑いとしては私はどちらも好きです。「あざとくて」も「激レアさん」もどちらも本当に面白い。弘中さんの影響も大きいけど、二人がやっぱり効いていると思います。今後もずっと楽しみです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S

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