読書日記752:天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2


タイトル:天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2
作者:小川 一水
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
西暦2803年、メニー・メニー・シープから光は失われ、邪悪なる“咀嚼者”の侵入により平和は潰えた。絶望のうちに傷ついたカドムは、イサリ、ラゴスらとともに遙かな地へと旅立つ。いっぽう新民主政府大統領となったエランカは、メニー・メニー・シープ再興に向けた苛酷な道へと踏み出していく。そして瀕死の重傷を負ったアクリラは、予想もせぬカヨとの再会を果たすが―ふたたび物語が動き始めるシリーズ第8巻後篇。

感想--------------------------------------------------
天冥の標です。物語も佳境に入ってきました。過去編が終わって舞台は一巻のメニー・メニー・シープに戻ります。咀嚼者に襲われ、世界の真実を知り、展開新たに世界の上を目指すカドムたち。かつての敵であった領主 ユレインや救世群の一人であるイサリと共に進む物語は、新たな局面を迎えます。

シェパード号を目指すカドム、イサリ、ユレイン、ラゴス、救世群との攻防を繰り広げるエランカたち新政府とカルミアン、<恋人たち>、そして重傷を負ったアクリラ。多面的に進む物語は、それぞれで新たな局面を迎え、どこに向かうのか全く予想がつきません。

これまでに語られて来た過去の物語がここに結実していく様は、読んでいても爽快です。アイネイアの足跡を辿り、咀嚼者と戦った<海の一統>の宇宙服を身に着け、かつてスカウトたちが苦闘したブラックチェンバーを巡っていくカドムたち。襲い来るMHDのヒューマノイドたちとの戦いも迫力十分です。ただ、ちょっと強さの順位がよくわからなく感じました。かつてヒューマノイドを圧倒しその軍事力で太陽系全土を圧倒した咀嚼者たちを、エランカ率いる軍隊は倒していきます。あれ?咀嚼者ってこんなに弱かったっけ?って感じたりもします…。

ジャイアント・アークという章は本巻で終わりますが、次の章へ移っても物語はそのまま変わらず続いていくようです。時間的にも空間的にも、圧倒的なスケールで描かれて来ている太陽系全体で繰り広げられる人という種族を巡る物語、ノルルスカインやミスチフ、カルミアンといった異星人まで含めた物語の構想は凄まじいものだと思います。もうここまでの作品に出会うことはないんじゃないだろうか、とも感じます。物語は終章に向かって進んでいきます。どのような展開になるのか楽しみです。



**先日、本作が日本SF大賞を受賞しましたね!!おめでとうございます!!
  読んでいる身としては、受賞して当然だと思います。ここまでの作品にはなかなかお目にかかれません!
  後半に向けて、早く読みたいような、読み終わるのが惜しいような。
  日本SF界を代表する作品として将来的にも伝わっていく作品だと思います!



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S

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