コミック日記160:乙嫁語り 11巻
タイトル:乙嫁語り 11巻
作者:森 薫
出版元:KADOKAWA
その他:
あらすじ----------------------------------------------
タラスとスミス、出会いの先へ…!
中央アジアを舞台に、さまざまな結婚物語を描き連ねていく『乙嫁語り』。英国人の旅行者スミスは、旅の目的地アンカラでタラスと再会したあと、ふたたび旅を始めることに。それは、もう一度アミルとカルルクの住む地域へ戻る旅……。新たに手に入れたアイテム「写真機」とともに、スミスとタラスと、案内人アリの旅路が始まる!
感想--------------------------------------------------
刊行されてしばらくたちますがようやく読むことが出来ました。漫画の感想を書くのはだいぶ少なくなりましたが、本作は書かないわけには生きません。これだけ絵が詳細で懇切丁寧で美しい本は滅多にありません。中央アジアの様子が手に取るように分かります。いつも新巻を開くたびに感動します。
物語はスミスとそのスミスを追って来たタラスの再会から始まります。お互いを思い合う二人。そして再び、来た道を戻り中央アジアへと戻ることを決意する二人。しかし戦争の足音はひたひたと迫っており、というきな臭い状況です。
物語は静かにでもそれぞれの登場人物の確固たる意志を秘めて進んで行きます。写真機と共に中央アジアに戻ることを決意するスミス、スミスを慕うタラス、二人と同行する食えない正確のアリ…。物語の主人公はアミルとカルルクなのだと思いますが、完全にこの巻では三人が主人公ですね。そしてその旅路の険しさや様子の描写も本当に丁寧。読んでいて旅している気分になれます。
戦争の足音が近付き、便利な移動手段のない近代の中央アジアの旅。でもこの作者の描く中央アジアはどこまでも広大で、自然にあふれ、美しく、行ってみたいと言う気にさせられます。狭い日本に住んでいるからでしょうかね…。
次の巻も確実に読むと思います。また楽しみです。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
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