PSYCHO-PASSサイコパス
タイトル:PSYCHO-PASSサイコパス
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あらすじ----------------------------------------------
あらゆる感情、欲望、社会病質的心理傾向はすべて記録され、管理され、大衆は「良き人生」の指標として、その数値的な実現に躍起になっていた。人間の心の在り方、その個人の魂そのものを判定する基準として取り扱われるようになるこの計測値を人々は「PSYCHO-PASS(サイコパス)」の俗称で呼び慣わした。 犯罪に関する数値も“犯罪係数”として計測され、犯罪者はその数値によって裁かれる。治安維持にあたる刑事たちは常に、犯人を捕まえる実動部隊となる“執行官”と、執行官を監視・指揮する“監視官”のチームで活動する。自らが高い犯罪係数を持ち、犯罪の根源に迫ることのできる捜査官こそが優秀な“執行官”となりうる。それゆえに、犯罪者になりかねない危険も孕む“執行官”は、その捜査活動を冷静な判断力を備えたエリートである“監視官”に監視されている。
感想--------------------------------------------------
*以下、ネタバレを含みます。
知り合いが面白いと言っていたのを思い出し、視聴。ちょっと見るはずが気付いたらシーズン1をぶっ通しで見てました。グロくてえぐい描写が多く、見ると心に多くの傷が残りそうで全く万人向けではない作品ですが、癖になります。
全ての感情が数値化され、その数値の高低で人の魂を判断する社会。その数値「サイコパス」が基準値を超えた犯罪者を取り締まる管理官として赴任した常守朱は、実際に手を下す執行官である狡噛とペアで動くことになるー。
電子データの基準が世界を席巻する世界観、公安当局と犯罪者の対決など、見てすぐに攻殻機動隊の世界観を思い出します。しかし攻殻機動隊が草薙素子を中心とした電子戦をクールに展開するのに対し、本作では常守がときに感情的になりながらも犯人と対峙していきます。次第に明らかになる公安メンバーの過去や生の姿、そしていくつかの事件を解決する中で見えてくる、事件の裏で暗躍する黒幕の姿ー。グロテスクな展開が多く、目を背けたくなるシーンも多いのですが見入ってしまいます。
脚本は虚淵玄。この人らしい、鬱になりそうな展開ですが、この世界観とよくあっています。脚本も素晴らしいけれど、それを活かす世界観の描き方、演出、OPやENDの楽曲もいいです。全体がうまく調和してサイコパスという世界を作り上げています。
人の判断とシステムの判断ー人とシステムの対立。物語はこの構図に収まっていきます。お決まりのパターンと言えばそれまでですが、そこに公安メンバーと犯罪の黒幕 槙島の対立の構図を重ねることで、物語は厚みを増していきます。この物語では犯罪者である槙島が人の判断や決断を尊重し、公安がシステム側の立ち位置になりますね。槙島を取り込もうとするシステム側と、システムの一員として動かざるを得ない公安。そしてそこで動く人の判断とはー。本作では最後に一つの解を提示するのですが、そこに曖昧さを残さないあたりが秀逸だと感じました。最近のドラマや映画では「判断は視聴者に委ねます」敵な作品も多いですが、この物語では明確に解を示すことですっきりとした終わり方となっています。
絶賛されるのもなるほどな作品です。なによりも、やはりこの緻密な脚本に魅せられました。今ならAmazon Primeで無料で観れます。この手の作品が好きな方なら、見ない手はないですよ。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
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