読書日記725:消滅 VANISHING POINT (下)


タイトル:消滅 VANISHING POINT (下)
作者:恩田 陸
出版元:幻冬舎
その他:

あらすじ----------------------------------------------
北米からの帰国者に感染力の高い新型肺炎の疑いが生じる。連行は細菌兵器ゆえの隔離、ヒューマノイド対応だったのか。テロ集団はなぜ「破壊」でなく「消滅」という用語を使うのか。様々な憶測が渦巻くが依然、首謀者が誰か掴めない。やがて孤絶した空港に近づく高潮の危険。隔離された10人の忍耐と疲労が限界を超え「消滅」が近づいた時、爆発音が!

感想--------------------------------------------------
上巻の続きです。空港で隔離された10人のその後が描かれていきます。

テロリストは誰なのか?その目的は?「消滅」が意味する内容はー?

正直、読み終えて力が抜けた作品です。「消滅」の言葉の意味するところや、テロリストの正体など、個人的にはかなりの肩すかしでした。一応、物語は収束し、終了しましたが、、、いつもながらに思うのですが、この著者はどこまで物語の終わりを考えながら書いているのだろう?と思います。あとがきを見る限り、かなり終わり方を意識して物語を書いていたようですが、あまりそれを感じませんでした。

上巻の感想でも書きましたが、物語の描き方が各人の視点を切り替えながら描く方法なので、個人的な感想が物語の主軸となり、どうしても大きな話にならないです。各人が切羽詰まった、ぎりぎりの感覚であればもっと物語にも緊迫感が生まれると思うのですが、そういう訳でもなく、なんとはなしに力の抜けた話になっています。そして物語が冗長です。印半纏の話とか、ラーメンの話とか、必要なんだろうか…?緊迫感を削いでいくのでなかなか物語に入り込めず、もやっとした作品と感じました。

そして最大の問題が、ヒューマノイドであるキャサリンです。なにごともなく登場人物たちに受け入れられていますが、彼女の存在が、物語を最も混乱させていると感じました。このドラえもん並みの性能で人と対話できるヒューマノイドは、いったいどこでどうやって開発されたのだろうか??なんか物語内でオーパーツ並みの異彩を放っています…。

「恩田陸」という著者名がないと、個人的にはお勧めできない作品です。空港で隔離されたテロリスト候補者、という状況をあまり活かしきれず、行き当たりばったり感がとても強く感じました。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):C

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