読書日記722:天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(上)
タイトル:天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(上)
作者:小川 一水
出版元:早川書房
その他:
あらすじ----------------------------------------------
西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。
感想--------------------------------------------------
この方の作品は初めて読みます。全10部、17冊の長編というSF大作、ついこの前完結したとのことで、のんびり読んでみようと思います。
遥か未来、植民星メニー・メニー・シープの民衆は領主の弾圧に苦しんでいた。そんな中、医師のカドムと海の一統のアクリラはそれぞれの方法で領主に対抗し始めるー。
詳細で独特な設定、個性溢れるキャラクターと、SF好きとしてはたまらない作品です。植民星として地球人によって開拓されるも資源がないことから見捨てられ、移民船の電力を主な資源として生き延びて来たメニー・メニー・シープ。虫のような原住民石工や、身体に電気を帯びることの出来る特殊な一族、海の一統など、設定がとても個性的です。
設定自体は壮大ですが固さはあまり無く、かといって軽すぎもせず、とても読みやすい文体でした。物語は今後、メニー・メニー・シープを軸に様々な場所、様々な時代へと移っていくようです。じっくり、どっぷりと浸って読んでいきたいと思います。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
この記事へのコメント