読書日記717:ルージュ: 硝子の太陽
タイトル:ルージュ: 硝子の太陽
作者:誉田 哲也
出版元:光文社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
世田谷区祖師谷で起きた母子三人惨殺事件。被害者が地下アイドルだったこともあり、世間の大きな注目を集めていた。真っ先に特捜本部に投入された姫川班だが、遺体を徹底的に損壊した残虐な犯行を前に捜査は暗礁に乗り上げる。やがて浮上する未解決の二十八年前の一家四人殺人事件。共通する手口と米軍関係者の影。玲子と菊田は非道な犯人を追いつめられるのか!?
感想--------------------------------------------------
*本感想には一部ネタバレを含みます。
姫川シリーズの作品です。先日読んだ「ノーマンズランド」より前の作品ですね。姫川シリーズらしい、残虐性の強い作品です。最初期の「ストロベリーナイト」を思い出させます。
世田谷区の母子三人殺人事件を追う姫川たちは、フリーライターの殺人事件に巻き込まれ、さらに一家四人殺人事件へと辿り着く。物語は何処へ向かうのかー。
勝俣、井岡、菊田、葉山、といつもの面子が揃う姫川シリーズ。安定の面白さですが、何となく決まった展開になりつつあるようにも感じます。ただ今作は、「ジウ」シリーズなど他のシリーズともコラボしていて登場人物がクロスしているようです。そのあたりが変化なのでしょうか。
残虐な事件とその裏の真相、そして姫川たち警察視点と犯人の視点が交錯するのは本作も同じです。ただ、さらに少し隠された裏があるのが本作の特徴かもしれません。「ノーマンズランド」も本作も、米軍地位協定や北朝鮮拉致問題など社会的な話題を扱っている点も変化だと思います。物語の展開が面白く、どんどんと読めてしまいますが、このシリーズはどこに着地していくのでしょうね。姫川たちの立ち位置や、個人間の人間関係の変化も興味のポイントであります。
本シリーズでは特にガンテツこと勝俣がいい味出してますね。完全なるアウトローの刑事ですが、姫川といいコントラストを描いています。このシリーズは続編が出たら読み続ける予定です。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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