読書日記704:ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下


タイトル:ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下
作者:カルロ ゼン
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
地球人類が国籍の区別なく全員、商連と呼ばれる異星の民の隷属階級に落とされた未来世界。閉塞した日本社会から抜け出すため、アキラは募兵官の調理師の誘いで商連の惑星軌道歩兵―通称ヤキトリに志願する。米国人、北欧人、英国人、中国人の4人との実験ユニットK‐321に配属されたアキラが直面したのは、作戦遂行時の死亡率が平均70%というヤキトリの現実だった。

感想--------------------------------------------------
幼女戦記」の作者カルロ ゼンさんの作品です。SFでなにか面白い本はないかと探して手に取ってみました。

地球が商連と呼ばれる民の奴隷となった将来、アキラは「ヤキトリ」と呼ばれる使い捨ての兵隊の一員として火星で訓練を受けることになる。そこで他の四人とユニットを組み、受けることになる訓練は、過酷そのものだったー。

幼女戦記が軍隊の話であったのに対し、本作は火星を舞台とした傭兵の話です。ただ、まだ本巻は序章に過ぎず、この先どんどんと話は展開していくと思われます。最底辺の使い捨て兵「ヤキトリ」として訓練を受けることになったアキラの鬱屈の日々を描いた巻ですね。アキラがどのようにして「ヤキトリ」となったか、そのヤキトリがどのような待遇で、どれだけきついモノかが延々と語られていきます。

幼女戦記と同じ語り口で、自分の運命を、仲間となったユニットメンバーへの反抗心とともにひたすら描いていて、本巻だけではまだまだ面白さは伝わって来ず、物語はこれからですね。訓練の様子や初の実戦の様子も描かれていますが、その切り抜け方、結末があまりすっきりとしたものではなく、「?」という感じの部分が強かったです。この先、面白くなっていくんでしょうね。

非常にまずい「ヤキトリ」の食事『大満足』や、お茶でその味を洗い流すシーン、毎日聞かされるモーツァルトの音楽、マクドナルドが高級食である下りなど、特徴的なシーンは多いです。キャラクターも騒音源ことアマリヤに始まり、タイロン、ズーハンといった裏のありそうな面々も多く、これからの展開には期待させられますね。またこの手の小説としては珍しく、萌え的な要素が全くないことも個人的には嬉しいです。きっと幼女戦記と同じように軍事的な視点できっちり、しっかり描かれていくのでしょうね。とても楽しみです。

既に二巻までは出ているようですが、しばらく温めておこうかな、と思う作品です。もうちょっと展開が見えて来たら一気に読みたいと思います。幼女戦記のようにいつかアニメ化されてもおかしくないですね。ただ、それにはもう少し見せ場が必要かな、と感じます。アキラ達がどこまでのし上がれるか、見物です。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B

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