タイトル:ブレードランナー 2049
出演:ハリソン・フォード, ライアン・ゴズリング, アナ・デ・アルマス
その他:
あらすじ----------------------------------------------
2049年、LA市警のブレードランナー“K”(ライアン・ゴズリング)はある事件の捜査中に、人間と人造人間《レプリカント》の社会を、そして自らのアイデンティティを崩壊させかねないある事実を知る。Kがたどり着いた、その謎を暴く鍵となる男とは、かつて優秀なブレードランナーとして活躍し、30年間行方不明になっていたデッカード(ハリソン・フォード)だった。デッカードが命を懸けて守り続けてきた秘密---世界の秩序を崩壊させ、人類存亡にかかわる がいま明かされようとしている。
感想--------------------------------------------------
ブレードランナー
アンドロイド捜査官のKは、逃亡したアンドロイドを追う途中で不可思議なアンドロイドの遺骨を発見する。その遺骨には出産の跡があったー。
この映画の個人的な見どころは三つです。まず一つ目が主役であるKを演じるライアン・ゴズリングの演技です。命令に従うアンドロイドでありながら感情の揺らぎを感じさせるその演技は絶妙です。画面いっぱいに映し出されるその表情の中に、アンドロイドとしての悲哀と内に秘めた表現できない感情が浮かび上がります。抑えた演技でありながら、内面をしっかりと伝えている。この演技は名演です。
二つ目は映画全体の世界観です。前作でも絶賛されていた世界観と演出ですが、三十年の時を経て進化したCGの力を借りてさらに圧倒的な世界を観客に示します。セピア色がかった荒廃した世界、日本語の看板があちこちに見える猥雑とした雨のグレートロサンゼルスの街並み、七十年代の歌曲の立体映像、そして物語後半で見られる雪の降る静けさ漂う街並み。「主役は誰?」と聞かれたとき、「この世界」と言っても言い過ぎではないと思います。一カット一カットが芸術的で独創的で、ブレードランナーという世界を観客に提示していきます。
そして最後がハリソン・フォードです。前作の主人公が三十年の時を経て、再び観客の前に現れる。こんなうれしいことはありません。物語のキーマンとして、圧倒的な存在感と演技を示してくれます。
物語は抽象的で、言葉よりも映像で、論理よりも感覚で観客に世界と物語を提示しているように感じられました。しかしこれこそがブレードランナーだと感じます。続編として文句のない出来に私は感じられました。
しかし一方でその物語は、一つの完結を見たもののまだ終わりではないようにも感じられます。続編があるのでしょうか?この美と荒廃の世界をもっと見たいような気も、これで終わらせたい気もする作品です。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス
この記事へのコメント