読書日記695:隻眼の少女


タイトル:隻眼の少女
作者:麻耶 雄嵩
出版元:文藝春秋
その他:

あらすじ----------------------------------------------
山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。

感想--------------------------------------------------
何年か前のこのミスの上位にランクインしていた作品です。読んでみたいと思っていました。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞も受賞しています。

死に場所を求めて山深き寒村を訪れた静馬は、そこで水干を着た隻眼の少女探偵 みかげと出会う。そして古き伝承が残る旧家 琴折家を舞台に、連続殺人の幕が開くー!!

いやあ、面白い。こういう作品は大好きです。寒村の旧家をめぐる連続殺人事件ということで、横溝正史の金田一シリーズ、特に「獄門島」や「犬神家の一族」を彷彿とさせます。おどろおどろしい事件に挑むのは水干を着た隻眼の少女探偵 御陵みかげ。気が強く、ツンデレの気のある名探偵は、実写ドラマ、アニメでも映えそうです。物語の舞台となる栖苅村、琴折家はまさに金田一シリーズにでてきそうな旧家で、金田一ファンにはたまりませんね。

物語は一九八五年の第一部と二○○三年の第二部から構成されています。一九八五年で事件は一旦の解決を見ますが、第二部で新たな惨劇がー!という展開です。そしてこの二部構成になっていること自体が、物語の大きなポイントですね。

少女探偵みかげの活躍もさることながら、その最後の展開は全く予想しておらず、本当に驚きました。なるほど、こうなるのか!という展開です。

ストーリーを明かしにくいミステリーでは、なかなかその面白さを語ることは難しいのですが、これまで読んだミステリーの中でも一、二の印象に残る作品でした。この方の作品は初めてですが、他の作品も読んでみようと思います。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス

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