タイトル:戦闘妖精・雪風(改)
作者:神林 長平
出版元:早川書房
その他:
あらすじ----------------------------------------------
南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊戦の深井零。その任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情かつ冷徹なものだった―。発表から20年、緻密な加筆訂正と新解説・新装幀でおくる改訂新版。
感想--------------------------------------------------
戦闘妖精雪風はSFファンであれば誰もが知っている作品だと思います。神林長平さんの著書である本作は、SFの一つの金字塔として残っています。今回、ようやく読むことができました。
異世界から地球への侵略者「ジャム」と戦うべく、異星フェアリイ空間を飛ぶ最新鋭機 スーパーシルフ 雪風。戦闘を通じて、人間とジャムの戦いは、別の様相を呈してくるー。
いくつかの章で構成されていますが、登場人物は多くはなく、雪風を操るパイロットの零、その仲間のブッカー少佐、上司のクーリィ准将が主な登場人物です。
描かれているのは雪風とジャムの戦いです。正体不明の侵略者ジャムと戦うブーメラン戦隊。ジャムとはなんなのか?彼らの狙いはなんなのかー?
物語が進むにつれてこれらの謎は少しずつ見えてくるのですが、特筆すべきはこの物語が一九八四年に書かれている、ということです。まだパソコンさえなかった時代にこれだけの作品を描けるというのは非常に先見の明があるということだと思います。
物語の終わりはどこか悲劇的であり、しかし一方でコンピューターの未来を先取りしているようにも思えます。やはり今の時代から見ると、古さは感じさせますが、人とコンピューターの来たるべき関係性を先取りして描いているという点で、この作品が長く残っているのもうなずけます。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
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