コミック日記157:進撃の巨人(25)


タイトル:進撃の巨人(25)
作者:諫山 創
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

エレンらの住むパラディ島を長年にわたって脅かし続けたマーレ。そこには祖国を守るため、自分達の人権を守るために日々奮闘する者達がいた。彼らは自らの存在価値を示すため、パラディ島への「宣戦布告」を準備するがそこに現れたのは……。

感想--------------------------------------------------
進撃の巨人の25巻、発売から結構な日が経ちましたが、ようやく読みました。とにかく、面白いのひと言に尽きます。

ライナーのもとに現れたエレン。エレンは語り出す。そして決意する。「オレは進み続ける。敵を駆逐するまで」

綺麗事で終わらせていない、という点が何よりいいです。蹂躙され、殺された者たちが、逆に蹂躙し、殺す。当然と言えば当然です。殺された者たちが「仕方の無い犠牲だった」と言ってその犠牲を受け入れるなんてことはあり得ません。そしてそれをしっかりと描いているのが本巻です。

これまでは犠牲者であり、生き残るために戦い続けて来たエレンたちは、本巻から攻勢に出ます。自分たちを殺そうとした者たちと会話し、生きることでそれでもやはり進み続けることを選択したエレン。自分たちを脅かす存在を駆逐するために、たとえ罪無き者を殺めようとも戦うことを決めたエレン。犠牲者であり何も知らなかった者たちが、殺戮者となり脅かす者となる。その転換点が本巻であり、その転換についてもよく描かれていると思います。とにかく心理描写が深い。そしてその描き方がうまい。

自分たちから攻勢に出て、巨人たちと戦うことを決意したエレンやリヴァイたち。そして集結する巨人軍団。巨人の戦いは世界を巻き込み、世界を滅ぼす「地ならし」の力をも手に入れたエレンは世界から敵視され、その敵を葬るために戦い続けることを選びます。戦いの行き着く先は何処なのか。敵も味方、それぞれの立場と思いを描いている本作は、何度も書いていますが、もはや単なる戦闘の話ではないですね。

まだ現れていないアルミン=超大型巨人の動向が気になるところですが…ライナーとエレンの会話のところは何度も読み返してしまいました。次巻が楽しみで仕方ありません。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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