読書日記687:マルドゥック・アノニマス 3


タイトル:マルドゥック・アノニマス 3
作者:冲方 丁
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
マルドゥック市の中枢部に食い込んだハンターは、共感によって新興勢力を“クインテット”に引き入れ、戦力を拡大していく。その様を見せつけられたウフコックは、対抗できる“善の勢力”を結集するため孤独に奔走する。自らにとって唯一の善なる存在、バロットには何も知らせず、ただ新たな道を歩む姿を見守ると決めて。ウフコックとハンター、それぞれの計画の機が覇熟したとき、両者の全面衝突が始まろうとしていた。

感想--------------------------------------------------
マルドゥックシリーズの最新作、マルドゥック・アノニマスの第三巻です。とにかく面白いです。このシリーズを読んでいる時は、至福の一時ですね。

マルドゥック市を均一化(イコライズ)しようとするハンター。そのハンターに対抗しようとウフコックやイースターたちは、仲間を集めてハンターたちを封じ込めようとするー。

読み終えて、次巻への期待しかありません。なんていいところで終わるんだ!という感じです。とにかく中味が濃いです。ハンターたち<<クインテット>>の悪徳の美学、情報を流し続けるウフコックの奔走、戦いから離れ、普通の少女として暮らし始めたバロット、そしてそのバロットを見守り続ける仲間ー。マルドゥック・スクランブルマルドゥック・ヴェロシティと繋がってきた本シリーズの、これまでの歴史があるからこその本作ですね。重みと厚みを感じさせる一方で、変わらずアクションシーンは秀逸です。読み応え十分です。

マルドゥック市をめぐる様々な勢力、謎に包まれたチェスクラブの面々、集結するエンハンサー部隊、殺戮と抗争。特に後半にかけては目が離せません。ハンターの執念、ウフコックの葛藤、そして最後に現れる主役。まさに真打登場です。一人の少女の喪失と再生を描いていた本作は、一匹のネズミと、マルドゥック市全体の喪失と再生を描く物語へと進化していっていると感じました。

再生するウフコック、成長するバロット、生まれ変わろうとするマルドゥック市。そんな言葉が重なり、嫌がおうにも次巻への期待が高まります。ほんと、いつ出てくるんだろうか、と思ってしまいます。今最も楽しみな作品です。

個人的には天才ディーラーが再度登場したのが何よりうれしかったです。過去作の登場人物も勢揃いっていう感じですね。早く次が読みたいと思う反面、終わらないでほしいとも思ってしまう作品です。シリーズ通してアニメ化もしてほしいですねー。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S
レビュープラス

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