読書日記686:マルドゥック・ストーリーズ 公式二次創作集


タイトル:マルドゥック・ストーリーズ 公式二次創作集
作者:冲方丁 (編集), 早川書房編集部 (編集), 寺田克也 (イラスト)
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
冲方丁作品の二次創作による新人賞「冲方塾」。その小説部門に応募されたマルドゥック・シリーズを題材とした短篇の中から、優秀作品を精選―ボイルドの誤爆を目撃した男の物語、“疑似重力”の謎に挑む二人の刑事、クルツとオセロットの日常、『スクランブル』実写映画化の裏側などマルドゥック・シリーズの世界を自由に解釈し、想像力を広げた11篇に、冲方自身が書き下ろした二次創作短篇を併録した公式アンソロジー。

感想--------------------------------------------------
冲方丁さんのマルドゥックシリーズは私も大好きなSF、サイバーパンクシリーズです。その舞台をもとにした二次創作の短編集が、本作、マルドゥック・ストーリーズになります。各短編を書かれているのは冲方塾に応募された一般の方々のようですが、その作品のできばえは素晴らしいものばかりです。

本書には冲方丁さんの作品も含めて十二編の短編が収録されています。舞台は共通ですが、主眼を置いているポイントやシリアス度も作品毎にだいぶ違います。コメディチックな作品からシリアスな作品まで、登場人物もバロットやウフコックといった主要メンバーから、クルツやクリストファーまで、様々な面々が登場します。

個人的にはやはり、小説部門大賞を受賞した「Ignite」が面白かったですね。あとは「The Happy Princess」でしょうか。どの作品にも共通して言えることですが、マルドゥックシリーズの舞台を下敷きにして独自のキャラクターを登場させているのですが、そのキャラクターにきちんとしたドラマがあり、そこが読み手の心を打ちますね。また言い回しや描写も、作家さんと遜色ないレベルだと感じました。

本作を読み終えて感じるのは、やはりこのマルドゥックシリーズを作り上げた冲方丁さんの素晴らしさです。これだけ広がりを見せる余地のある世界観、キャラクターたちを作り上げる腕前は相当のものだと感じました。最近、マルドゥック・アノニマスの三作目も刊行されました。これもぜひ読んでみたいと思います。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス

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