読書日記683:か「」く「」し「」ご「」と


タイトル:か「」く「」し「」ご「」と「
作者:住野 よる
出版元:新潮社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
みんなは知らない、ちょっとだけ特別なちから。そのせいで、君のことが気になって仕方ないんだ―きっと誰もが持っている、自分だけのかくしごと。5人のクラスメイトが繰り広げる、これは、特別でありふれた物語。共感度No.1の青春小説!

感想--------------------------------------------------
君の膵臓を食べたい」の住野よるさんの作品です。「よるのばけもの」「また、同じ夢を見ていた」に続き、もう四作目です。どれも学生が主人公で青春時代を思い起こさせて、その描き方がとても好きです。本作も青春ど真ん中を描いた小説で、青春の甘酸っぱさを十二分に描いた作品です。四十代を超えてくるとこうした青春小説って、過去回想モードでしか読めなくなりますね。きっと高校生くらいが読むといいのかもしれないです。

京、ヅカ、ミッキー、パラ、エル。同じクラスの男女5人。人には言えない、それぞれ秘密の少し変わった力を持った5人。そのうちの一人が、他人には言えない”かくしごと”を抱えてー。

他人の気持ちが少しだけ分かる能力を持った5人。でも肝心なことはわからなくて、やはりいろいろと青春の悩みに頭を悩ませる5人。結局のところ、他人の気持ちよりも何よりも、一番問題なのは自分の心なんだろうな、って思ったりする本です。他人の気持ちがどれだけわかったって、自分の思いに自信が無ければ何も出来ないですしね。その辺りをしっかりと描いているなあ、って感じました。

青春って、結局はもてあましてしまう自分の心とどう向き合うかなんだよな、って考えたりもする作品でした。個人的にはこの本もとても好きです。住野よるさんの作品は変な捻りが無くて、癖が無くて、万人受けする本が多いと思います。でも一方で多くの本を読み込んでいる人に取っては物足りないかも?って感じたりもしました。しっかりと伝えたいことと、物語がリンクしていて、どの作品もすっきりする終わり方です。本作もそうでした。

青春って、多くの人に取っては自分がど真ん中にいる時期よりも、過ぎてからの時期の方が圧倒的に長いので、どうしても回想的に見るようになりますね。個人的にはこの小説のような時代を自分が過ごしたわけではないので、あまり現実感や感慨は無いのですが、「ああ、こんな時代もあったなあ」っていう感じで、小説としてはとてもよく出来ていると感じました。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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