タイトル:乙嫁語り 10巻
作者:森 薫
出版元:KADOKAWA / エンターブレイン
その他:
あらすじ----------------------------------------------
4ヵ月の充電期間を終えて、連載再開した『乙嫁語り』! 第10巻の前半はカルルクが"男"になるべく修業をする"男修業"編。アミルの兄が暮らす冬の野営地へ行き、アゼル・ジョルク・バイマトの3人から鷹狩りを学びます。後半はアンカラへの旅を続けるスミスへ視点が移り、案内人アリとともに旅の様子が描かれていきます。お楽しみに!
感想--------------------------------------------------
変わらず買い続けてしまう、乙嫁語りです。もう十巻なのですね。本巻はカルルクの話と、スミスの話です。義兄たちに弓や鷹狩りを習い、強くなりたいと願うカルルクと、ロシアが不穏な動きを見せる中、アンカラへ向けて旅を続けるスミス。別々の場面ですが、共通する時代の描写が背景にあります。
本作、特に本巻はそうですが、ストーリーに大きな浮き沈みがある訳ではありません。しかし19世紀の中央アジアの生活、文化を緻密に丹念に描いていて、そこが読み手を惹き付けるのですね。本巻では鷹狩りの様子と19世紀の中央アジアでの旅の様子。この二つが非常に精緻に丹念に描かれています。そこにアミルとカルルク、スミスたち一行の物語が重なることで、物語を引き立てていると感じます。
あと絵のうまさが際立っています。ストーリーで引き込む、絵で魅せる、世界観で惹き付ける、と漫画にはいろいろな魅せ方があると思いますが、この絵のうまさ、とくに下敷きとなる19世紀中央アジアの文化の絵のうまさは素晴らしいです。文化の勉強とか、そうしたものにも役立つ漫画じゃなかろうか、と個人的には感じたりもします。
スミスさんの方に、次巻は動きがありそうです。また次の巻も楽しみです。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス
この記事へのコメント