読書日記660:アキラとあきら


タイトル:アキラとあきら
作者:池井戸潤
出版元:徳間書店
その他:

あらすじ----------------------------------------------
零細工場の息子・山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった―。感動の青春巨篇。

感想--------------------------------------------------
WOWOWでドラマ化もされた池井戸潤さんの作品です。半沢直樹シリーズから始まり、「花咲舞が黙ってない」、「下町ロケット」、「陸王」とドラマ化、大ヒット連発の作者ですが、本作も楽しみに読んでみました。

父の経営する零細工場の倒産という辛い経験をしてきた山崎瑛と、大手海運会社東海郵船の御曹司として生まれるも身勝手な叔父たちに振り回される階堂彬。二人は産業中央銀行で同期として出会いー。

どんな話なのか予備知識なく読んでみたところ、前半こそ二人のあきらの生い立ちが主でしたが、後半はやはり銀行を中心とした債務や貸し借りの話がメインでした。この著者の作品には銀行ものが多く、「またか!」と思いつつもその鉄板の面白さに引き込まれていきます。全七百ページ超とかなりの分量がある作品なのですが、それでも後半は一気読みです。あっという間に読み終えました。同じ売れっ子作家である東野圭吾さんの文体にも通じると思うのですが、一文が短く簡潔で、本当に読みやすい。なので分量を全く感じませんでした。

銀行側の瑛と大手会社の社長である彬。この二人のライバル関係が描かれるのか、と思っていましたが、ライバル関係ではなく、二人がどのように協力して難局を乗り切っていくか、その様子が後半は中心的に描かれています。この辺りも読みやすさの一因かと思います。

このような作品を読むと「社長なんてやるもんじゃない」と個人的にはすごく思いますね。。。自らの経営判断の誤りから会社が危機に陥り、打つ手が無く、焦燥に駆られる社長の姿がリアルに描かれていて、二人のあきらの活躍よりも個人的にはここが最も印象に残りました。従業員の生活が全て自分の肩にかかっているというその重圧は並大抵のものではないと思います。

最後の終わり方は出来すぎている、と個人的には感じたりしますが、物語としては非常に面白かったです。さすがです。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S
レビュープラス

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