読書日記652:PRIDE プライド―池袋ウエストゲートパーク〈10〉


タイトル:PRIDE プライド―池袋ウエストゲートパーク〈10〉
作者:石田衣良
出版元:文藝春秋
その他:

あらすじ----------------------------------------------
自分をレイプしたワンボックスカーの4人組を探してほしい―ちぎれた十字架のネックレスをさげた美女はマコトにそう依頼した。広域指名手配犯B13号を追うさなか、若者ホームレス自立支援組織の戦慄の実態が明らかになる表題作ほか3篇、最高の燃焼度で疾走するIWGPシリーズ第1期完結10巻目。

感想--------------------------------------------------
石田衣良さんの代表作「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの第十作です。本書も積読されていた本でした。表題作の「PRIDE」に加え、「データBOXの蜘蛛」、「鬼子母神ランダウン」、「北口アイドル・アンダーグラウンド」の四編が収録されています。

池袋のトラブルシューター マコトはGボーイズのキング タカシたちとともに今日も池袋の様々な問題を解決していくー。

ノンストップの疾走感、マコトの軽妙な語り口、氷の王 タカシの存在感、とシリーズ定番の格好よさが光ります。各話のテーマも時代を背景に、スマホ、ローカルアイドル、失業者を食い物にした悪徳ビジネス、と新しいものになってきていて、このあたりのテーマの選択はうまいです。池袋という街を背景にしている点はずっと変わらなく、その変わらなさがシリーズの面白さにもつながっています。

マコトがトラブルに行き当たり、凄腕のGボーイズの王 タカシや凄腕ハッカーのZeroOneといった人脈を活かして解決していくというスタイルは王道ですが安定していて、シリーズものの定番スタイルですね。テーマを時代に沿った新しいものに変えていけば、どこまでも続いて人気を博し続ける作品だと思います。安定しておもしろい、水戸黄門的な作品ですね。

毎回、どんなテーマなのか、トラブルなのか、そこがわくわくするところでもあります。あとは物語の最初の入り方。どの話を読んでもここが絶妙で、一気に引き込まれます。今はもっと先の十二作目くらいまで出てますね。また思い起こした時に読んでみようと思います。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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