コミック日記152:進撃の巨人(23)
タイトル:進撃の巨人(23)
作者:諫山 創
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。
「獣の巨人」達との戦いの末、地下室に辿り着いたエレン達。そこで彼らは、グリシャの遺した本と記憶により、グリシャの生い立ちや壁内にやってきた真の目的を知る。そこから明らかになったのは、エレン達が相手にしているのは、これまで戦ってきた巨人よりもさらに巨大な「世界」そのものだという事実。壁の向こうに自由が無いこと、海の向こうには敵が待ち受けていることを知ったエレン達の行く末は……。
感想--------------------------------------------------
進撃の巨人はこの二十三巻から新しい展開に入っていきます。↑「あらすじ」に書かれているのは二十二巻までの話ですね。
戦争を続ける中東連合とマーレ。マーレの最前線にいたのは「巨人」だったー。
エレンたちの住む島と海を隔てた大国マーレ。そのマーレでの戦争シーンから物語は始まります。マーレの最前線で戦うのは、かつてのエレンたちの仲間であり、敵でもあった「鎧の巨人」ことライナー、そして「獣の巨人」ことジーク。マーレは巨人を兵器として活用することで、戦争を有利に運んでいきます。エレンたちの敵であるマーレに視点を移して物語は進みます。生還を祝い、仲間を思いやるマーレの兵隊たち。ベルトルトやアニといったかつての仲間の姿を重ね、ライナーの物語へと移っていきます。
物語をあえてエレンたちの敵の視点に移すことで、「巨人」たちによる戦い、戦争を多面的に、深く掘り下げていこうという意図が見られます。「巨人という不条理な存在に蹂躙される日常」を描き出していた一巻とは大きく方向が変わってきていますね。「巨人の脅威」もさることながら、エレンたちとライナーたちという敵味方の視点から物語が描かれ、より人間ドラマ的な面が強くなっていくのだろうな、と想像できます。
「始祖の巨人」の力を手に入れるために侵攻を考えるジークやライナーといったマーレの兵士たち。家族、友人といった愛しい存在を守ろうとする彼らの気持ちはエレンたちと変わりません。彼らとエレンたちの戦いは、さらに熾烈になっていくのでしょう。そしてその戦いを通じて、双方は何を感じ、何を得るのか?今から先が楽しみでたまりません。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス
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