読書日記638:また、同じ夢を見ていた



タイトル:また、同じ夢を見ていた
作者:住野 よる
出版元:双葉社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。学校に友達がいない“私”が出会ったのは手首に傷がある“南さん”とても格好いい“アバズレさん”一人暮らしの“おばあちゃん”そして、尻尾の短い“彼女”だった―

感想--------------------------------------------------
君の膵臓をたべたい」の著者の作品です。「君の膵臓をたべたい」が個人的に大ヒットだったので続けて読んでみました。二百五十ページ程度の作品です。

学校に友達のいない奈ノ花は、今日も放課後、尻尾の短い彼女と友達を訪れる。アバズレさん、南さん、おばあちゃん、皆、個性的な友達。そんなある日、国語の授業で課題が出る。それは「幸せって何か」を考えることー。

最後まで読み終えて、本作も「君の膵臓をたべたい」に負けず劣らず、さわやかな気分になれる作品でした。「君の膵臓をたべたい」でも感じましたが、物語の作り方がうまい作家さんですね。ストーリーの盛り上げ方、意表の付き方、そうした点が全てうまいです。そして何よりも物語が純粋です。これは著者の心が現れているのかもしれません。

「幸せってなにか」
この問いに、各人がそれぞれの答えを出していきます。それがまたどれも素晴らしい。中でも私がいいと思ったのはアバズレさんが出した答えですね。どの答えも素晴らしいですが、個人的にはもっともよかったです。(詳しくは読んでください。)

南さん、アバズレさん、おばあちゃん。正体不明の彼女たちの正体がわかってくると、物語にはまた違った意味が見えてきます。そして読者自身もきっと、自分自身に問いかけるんですね。「幸せとはなんだろう」、「自分には違った答えもあったのではないだろうか」と。物語の最後で奈ノ花が示す答えと終わり方は素晴らしいです。綺麗すぎる終わり方にさえ感じますが、個人的には満足でした。

「また、同じ夢を見ていた」
本書のタイトルですね。物語の最後で示されるこの文には続く文があります。


また、同じ夢を見ていた。あの夢を見ると、いつも思う。自分に訊かれているみたい。—


この続きの文と、それに対する奈ノ花の回答もいいです。幸せとはなんなのか。いろいろな回答がある中で奈ノ花が示す回答はいいですね。また奈ノ花と友達は「魔女の宅急便」を思い起こさせます。テーマもとてもよく似ているし、きっと参考にしているのかな、とも感じました。今回もいい作品でした。またこの著者の作品は読んでみようと思います。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S
レビュープラス

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