読書日記634:幼年期の終り


タイトル:幼年期の終り
作者:アーサー C クラーク (著), 福島 正実 (著, 翻訳)
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
異星人の宇宙船が地球の主要都市上空に停滞してから五十年。その間、異星人は人類にその姿を見せることなく、見事に地球管理を行なった。だが、多くの謎があった。宇宙人の真の目的は? 人類の未来は?――巨匠が異星人とのファースト・コンタクトによって新たな道を歩みはじめる人類の姿を描きあげた傑作!

感想--------------------------------------------------
アーサー・C・クラークと言えばSFの大家です。世界的に最も有名なSF作家と言えるかもしれません。キューブリックの有名な作品、「2001年宇宙の旅」も原作はこの人ですね。今から四十年近く前、一九七九年の作品です。

今から四十年前に書かれた作品、ということを念頭に置くと、本作はその凄みが伝わります。現在では当たり前となっている様々な概念、インターネット、スマホ、などがない時代にここまで書けるのはすごいことです。一方でどうしても古くささは感じます。外見こそ違えど、宇宙人が地球人と同じ言葉を喋り、地球人と同じように二足歩行している、といったあたりは今のSFとはかけ離れているように感じました。

本作は地球にやってきた宇宙人の総督、カルルレンを中心に、そのカルルレンがコンタクトする様々な人間の立場から描かれています。圧巻なのは地球人の行く末を描いた後半部分ですね。上帝(オーバーロード)として地球人を管理するカルルレンたち、しかしそんなカルルレンたちも指示を受けて動いているに過ぎない事や、地球人を管理する目的、地球人の末路などの描き方は非常に壮大です。概念的で抽象的な存在となっていく人間たちと、そんな人間たちのいなくなった地球、最後に描かれる地球の姿などは後世のいろいろな作品に影響を与えている事が窺い知れます。

今ではこのような地球人の末路や地球の行く末を描いた作品はラノベも含めて無数にあります。しかし四十年前にこれだけの作品を描いた事、そしてその後の作品に与えた影響などを考えると、間違いなく名作だと思います。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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