読書日記629:人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの



タイトル:人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

作者:松尾 豊
出版元:KADOKAWA/中経出版
その他:

あらすじ----------------------------------------------
人類の希望か、あるいは大いなる危機なのか?「人間のように考えるコンピュータ」の実現へ、いま、劇的な進展が訪れようとしている。知能とは何か、人間とは何か。トップクラスの人工知能学者が語る、知的興奮に満ちた一冊。

感想--------------------------------------------------
いま、世の中で最も注目されている技術の一つがAiとも呼ばれる人工知能です。CMで有名となったIBMのワトソンを始め、自動車の自動運転技術や検索技術など様々なところに人工知能は適用できるのではないか、と着目されており、そこで本書を手に取ってみました。

読み終えての感想ですが本書は人工知能について非常に良くまとまった本です。私は「人工知能」という言葉は知っていましたが、恥ずかしながら「機械学習」と「ディープラーニング」の違いもよくわかっていませんでした。そこのところも含めて、いま大三次AIブームとしてなぜこれほどまでにAIが取り上げられているのか、特徴量を自動で抽出するディープラーニングの特徴、その技術の内容、今後の発展の可能性などが非常に良くわかります。専門書のようでいて、専門外の人にもわかりやすく書かれています。

AIは人間を超えるか、という質問が昨今いろいろなところでも取りざたされていますが、この本を読むとその答えについても何となくわかってきます。人工知能は「膨大なデータをもとに判別する」ということは得意であり、この能力については人間を凌駕していきそうです。ただ、この判別する、という領域に置き換えられない分野では人間は強みを発揮し続けると感じました。

本書の後半には、人工知能に関する技術の発展と社会への影響に着いて図式を交えて描かれており、これがとても参考になりました。また人工知能の発展に伴う影響は、技術面だけでなく、人工知能の行動結果に誰が責任を持つのか、といった法律面の整備などにも強く影響を及ぼしそうだと感じました。

世の中を一変させる可能性を持つ人工知能技術。今後どのように発展していくのか注目です。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス

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