読書日記615:ロマンとソロバン―マツダの技術と経営、その快走の秘密



タイトル:ロマンとソロバン―マツダの技術と経営、その快走の秘密
作者:宮本喜一
出版元:プレジデント社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
独自の環境技術「SKYACTIV」の開発がクルマを、社員を、そしてマツダを変えた!

感想--------------------------------------------------
最近、スカイアクティブ技術で絶好調のマツダ。その絶好調の秘密をジャーナリストである著者が書き綴ったのが本書です。マツダに関する本はたくさんでていますね。楽しみに読んでみました。

本書にはリーマンショックにより危機的状況に陥ったマツダが再建していく様子が技術面と経営面の双方から描かれています。歴代の社長や開発の責任者たちの視点から語られる、危機に瀕したマツダの再建の物語は非常にリアルでありテレビのドキュメント番組を見ているようです。技術的な部分は自動車、特にエンジンの仕組みに詳しくないと分かりにくいところもあると感じましたが、個人的には熱中して読んでしまいました。

本書を読んで強く感じたのは、スカイアクティブは技術だけでなく、経営状態や、マツダという会社が置かれた危機的環境など様々な要因が相まって生まれたものなのだ、ということです。原理原則に基づいて技術を突き詰めていく様は確かに凄いのですが、会社が危機的状況に陥っているのにそのような探求を許し、そこにかけることを選択したマツダという会社の経営判断も素晴らしいと感じました。

またマツダという会社は地元である広島と非常に強い結びつきを持っていることもよくわかりました。戦時中、原爆投下直後は病院や市政の中心的な役割御担ったようで、マツダが危機に陥った際には地元で懸命に支えようとした様子も伝えられています。地元との結びつきの強さや、理想の車、世界一の車の姿を追い求めるその姿は製造業の理想の姿とも感じました。

本書を読む限り、マツダという会社はビジネス書である「ビジョナリーカンパニー」に書かれている、理念を追求し、理念以外の全てを変えることで対応を図ろうとするまさに「ビジョナリーカンパニー」のように感じますね。一点、本書で気になった点としては、描かれているのが開発本部長や社長など役職の高い人ばかりである点ですね。役員クラスの人々の思いにメンバーが応えていった、ということでトップダウンの会社のように見受けられますが、実際はどうだったのか、現場視点の話も読んでみたいところではあります。

先にも書きましたが、マツダの本は様々出ていますね。また他の本も読んでみようと思います


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス

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