2016年04月02日

読書日記586:カッコウの卵は誰のもの



タイトル:カッコウの卵は誰のもの
作者:東野 圭吾
出版元:光文社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
スキーの元日本代表・緋田には、同じくスキーヤーの娘・風美がいる。母親の智代は、風美が2歳になる前に自殺していた。緋田は、智代の遺品から流産の事実を知る。では、風美の出生は? そんななか、緋田父子の遺伝子についてスポーツ医学的研究の要請が……。さらに、風美の競技出場を妨害する脅迫状が届く。複雑にもつれた殺意……。

感想--------------------------------------------------
東野圭吾さんの作品です。本作品はちょうどWOWOWでドラマ化されていますね。緋田風美を演じるのは土屋太鳳さん、そして父、緋田宏昌を演じるのは伊原剛志さんと豪華な顔ぶれです。積んだままになっていた本書を読み出したきっかけは、まさにWOWOWでドラマ化された事ですね。内容としては東野圭吾さんらしい、ミステリーと人の心の機微の合わさった作品かと思います。

「カッコウの卵は誰のもの」というこのタイトルは、繋がっていなかった父子の関係を比喩的にさしているのだろうと思って読み進めていたのですが、実は違っていました。この点が本書を読んで驚いた点ですね。ストーリーに大きな影響はないのですが、この「カッコウの卵」が指すものについては「あれ?」という感じでしたね。

本書は個人的には、東野圭吾さんの作品にしては随分とミステリーの仕立てには甘さがあるようにも感じました。脅迫状、そして爆発事件へと物語は発展していくのですが、最後に明かされるその動機や真相に緻密さはあまり感じられず、むしろ父子や科学といった面が強く前面に出ている物語と感じました。ミステリーの部分よりも、宏昌の葛藤の部分の描写の方が強いですね。ちなみに本作の主人公は土屋太鳳さん演じる緋田風美ではなく、父の宏昌の方ですね。緋田風美は脇役ですが、WOWOWのドラマではここを膨らまし、風美の出番を多くしているようです。

簡潔で平易な文を積み重ねて人の心を揺さぶる物語を編み上げていく腕前は確かですが、個人的には多少の読みにくさはありましたが、先日の「人魚の眠る家」の方が好きですかね。良作ですが、東野圭吾さんにはもっともっとと期待してしまいます。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス
posted by taka at 17:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野 圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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