読書日記570:天空の蜂



タイトル:天空の蜂
作者:東野 圭吾
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき…。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。

感想--------------------------------------------------
東野圭吾さんの、かなり前の作品です。福島第一原発の事故があったからでしょうか、今年の夏頃に映画化もされています。

奪取された軍用大型ヘリ『ビッグB』は原子力発電所『新陽』の真上に自動操縦で誘導された。燃料が切れ、ヘリが墜落することを阻止するためにテロリストとの攻防が始まるー。

ヘリの設計士である湯原の視点を中心に、設計士、刑事、原発の操縦院、犯人を追う刑事と物語は様々な人間の視点を交えながら進んでいきます。東野圭吾さんの作品独特の淡々としていながらも簡潔な語り口で物語は進んでいきます。原発の仕組みやヘリを無線操縦する仕組み、そういったものが適切に語られていくのは、もともとが理系の出身である東野圭吾さんだからでしょうね。説明的な部分も読みやすく、軽水炉と増殖炉の違いなどもよくわかりました。

物語ははらはらする展開があり、プロットもしっかりしていて読みやすいのですが、個人的には微妙に山谷がないなあ、と感じました。人の心に迫る物語を多く書いている作家さんですが、SF的なテクニカルな部分の描写が多くなると、なぜか淡白な印象を受けます。個人的にはやはりこの人の作品は「容疑者Xの献身」で有名な探偵ガリレオこと湯川学が活躍する作品か、「新参者」などで有名な刑事:加賀恭一郎が活躍する作品がいいですね。読者の心に迫る作品が多いです。

はずれ、というわけではありません。普通に見ればかなりの秀作です。ストーリーもいいし、終わり方もいいです。ただ、この方の作品全体で見ると、普通の作品と感じました。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス

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