読書日記561:キノの旅 (3) The Beautiful World



タイトル:キノの旅 (3) The Beautiful World
作者:時雨沢 恵一
出版元:メディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
真っ白だった。上も、下も、右も、左も、ただ白かった。「見事に何も見えないな」「見事に何も見えないね」「でも、すぐにまた、見えるようになる」「見えるようになるだろうね」「ねぇ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする?ちょっと嬉しくない?」「ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね」「晴れたら、どうするつもり?」「そうだな…、ここにいても仕方がないし、ボクにできることもない。出発するだろうな。それだけだ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第3弾。

感想--------------------------------------------------
キノの旅の第三巻です。二巻を読んでいないのですが、それで三巻を読んでもほとんど違和感を感じないのが本作のいいところです。

キノとエルメスは本作でもいくつもの国を巡り各国で様々な人々と出会っていきます。キノとエルメスが傍観者と言う立場であることは変わりません。どの国にも少し不思議な風習や文化があったりして、時に多くの人が殺されたり、殺したりしています。

本作で私の印象に残ったのは、「城壁のない国」と「同じ顔の国」です。詳細は読んでいただきたいのですが、本作に登場する国に住む人たちはみな精一杯生きているはずなのにどこか滑稽で、その滑稽さのままに死んだり、生きたりしています。人間の一生なんて、そんなもんだよ、と言われているようでもあったりして、人生を振り返るとそのように感じられたりすることもある気がします。

キノとエルメスの視点に身を置いて、自分を客観的に見るとどう見えるのか、ちょっと怖い気もしますね。しかし一方でそうした視点の旅人は、人生において絶対に必要なんだろうとも感じました。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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