読書日記550:プラチナデータ by東野圭吾



タイトル:プラチナデータ

作者:東野圭吾
出版元:幻冬舎
その他:

あらすじ----------------------------------------------
国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。その開発者が殺害された。神楽龍平はシステムを使って犯人を突き止めようとするが、コンピュータが示したのは何と彼の名前だった。革命的システムの裏に隠された陰謀とは?鍵を握るのは謎のプログラムと、もう一人の“彼”。果たして神楽は警察の包囲網をかわし、真相に辿り着けるのか。


感想--------------------------------------------------
東野圭吾さんの作品です。「パラドックス13」同様、本書も東野作品にしては珍しいSF色の強い作品です。とは言っても、やはりミステリー作品ですが。

DNA検索システムで全ての殺人の犯人を割り出せる近未来、ある殺人事件の犯人としてDNA検索システムが割り出した犯人は、システムの構築に携わった神楽だった。冤罪を晴らすため、神楽は逃走を開始する―。

近未来の話ですが、上にも書いたようにSFというよりもミステリ作品です。殺人事件の濡れ衣を着せられた神楽と、彼の行方を追う刑事の浅間の二つの視点から物語りは語られていきます。

なぜ濡れ衣を着せられたのか?本当の真犯人は誰なのか?殺人の真の目的は?、といった謎解きの部分はやはりミステリの名手だけあって読ませます。またこれは東野作品すべてに共通することですが文が簡潔で、表現が読み手に寄り添っているため五百ページ近い作品であるにもかかわらずどんどん読んでいくことができます。

一方でSF的なつくりの方は、やはり世で言われるSF作品と比較するとその作りが簡潔すぎるため、なんとなく物足りなさを感じます。これは文章がうまい人の特徴かもしれませんね。簡単に読める分、物語があっさりしすぎていると感じてしまうのですね。特に最後の終わらせ方は、図ったかのようなうまい終わり方で、逆に違和感を感じてしまうほどです。

連続殺人の真犯人は誰なのか、その裏に隠された「プラチナデータ」とは何か―。物語の謎は深いのですが、その回答の見せ方があまりにもあっさりしているのと、どうしても神楽が二重人格であるという特徴に無理があるように感じてしまいますね。最後に分かる真犯人も「え、こんな簡単にばれちゃうの?」とい感じてしまいます。


決して悪くはないのですが、やはりこの著者は純粋なミステリが向いていると感じます。「ガリレオシリーズ」や「恭一郎シリーズ」の方が、個人的には好きでした。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B
レビュープラス

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