2015年04月12日

読書日記536:アイネクライネナハトムジーク by伊坂幸太郎



タイトル:アイネクライネナハトムジーク
作者:伊坂幸太郎
出版元:幻冬舎
その他:

あらすじ----------------------------------------------
ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。

感想--------------------------------------------------
伊坂幸太郎さんの作品です。「アイネクライネナハトムジーク」という本書のタイトルは小夜曲とも称されたモーツァルトの有名な曲ですね。誰しもが聞いたことのある曲ではないでしょうか。本作も本屋大賞にノミネートされた作品です。

本書には「アイネクライネ」、「ライトヘビー」、「ドクメンタ」、「ルックスライク」、「メイクアップ」、「ナハトムジーク」の六編が掲載されています。「メイクアップ」までの五編が緩く繋がり、最後の「ナハトムジーク」でそれまでの話がまとまっていく、というストーリーです。あとがきにも書かれていますが、本書の最初の二編はミュージシャンである斉藤一義さんの楽曲とコラボする形で書かれています。二作目の「ライトヘビー」をはじめとして歌を売る人として「斉藤さん」というのが登場しますが、これはこのミュージシャンの斉藤さんから取っているのでしょうね。

本作は伊坂作品にしては珍しく、全編にわたって恋愛要素が満載です。また殺人要素はゼロです。なので安心して読めるのですが、伊坂作品は恋愛作品もいいですね。一般的な恋愛作品とは違って、ほのぼのとしているというか、伊坂作品ならではのユーモアが散りばめられていて、読んでいてとても楽しくなります。べたべたしていたり、悲壮感があったり、というわけではなく、笑って話せる恋愛という感じでそれがすごくいいです。最後の「ナハトムジーク」では現在と過去が入り混じりながら物語を結末に導いていくのですが、笑って終われるこの結末がまたすごくいいと感じました。

本作には一つの鍵としてボクシングのヘビー級のタイトルマッチの試合が出てきます。伊坂作品である「あるキング」にも野球が出てきましたが、どちらの作品にも共通しているのは、スポーツというものに観客の期待を載せて描いている点だと感じました。見る人の思いが伝わるから、その思いが乗るから、スポーツは面白いんでしょうね。そしてそうしたスポーツの見方をとても丁寧に描いていると感じます。

伊坂作品はまた最新作として「火星に住むつもりかい?」が出ていますね。こちらも楽しみに読んでみたいと思います。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
レビュープラス
posted by taka at 20:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 伊坂 幸太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/417192697

この記事へのトラックバック

「アイネクライネナハトムジーク」伊坂幸太郎
Excerpt: ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す..
Weblog: 粋な提案
Tracked: 2016-09-23 12:12