読書日記535:手にした人だけが次の時代に行ける黄金のボタン



タイトル:手にした人だけが次の時代に行ける黄金のボタン
作者:小楠 健志
出版元:ALL WIN出版
その他:

あらすじ----------------------------------------------
手にした人だけが次の時代にいける 成功のための「黄金のボタン」。 本書では、私がそれを手に入れるまでのお話をさせていただきます。 世の中には「ボタンの掛け違い」という言葉があります。 第1ボタンをかけ間違ったら、第2ボタンも、第3ボタンも、 当然、掛け違ってしまい、うまくはいかないもの。 では、あなたの実現したいことにおいて、最初に掛けるべき「第1ボタン」とは、 一体何なのでしょう? それこそが「手にした人だけが次の時代にいける黄金の第1ボタン」です。 それさえ手に入れれば「宣伝」も「集客」も「マーケティング」も 必要なくなります。それが「黄金のボタン」です。 「最初に掛けるべき黄金の第1ボタンとは、一体何なのか?」。 少しの時間、それを一緒に考えていきましょう。 「格闘家あがりのダメ治療家が、1年間で全国に100店舗をつくった」。 そんな私の経験を通じて、これからの時代をどう乗り切っていくかを お伝えしていきたいと思います。

感想--------------------------------------------------
レビュープラス様から献本いただきました。いつもありがとうございます。

本書は元格闘家であり、治療家となった著者が、百店舗もの店を持つまでの自己の半生について書き綴った本です。あくまでビジネス的な話が中心であり、本とはいいつつもページ数も百ページ程度と薄く、冊子といった方がいいかもしれません。

「世の中には多くの経営者がいて、皆、努力している。しかし結果を出せる人と出せない人がいる。その違いは何か?」といった疑問からスタートし、著者は「その違いは第一のボタンを掛け違えているかいないかだ」と言っています。そして著者はその第一ボタンを「公共性」と言っています。

著者は本書の中で、この「公共性」というものを非常に重視しています。自分と顧客だけでなく、公共にも利を及ぼす―つまり、自・他・公の三方に得させることが重要と説いています。自・他を考える経営者は多いですが、本書の著者のように真剣に「公」のことまで追い求める経営者はなかなかいないのではないかと感じました。本書に書かれていますが、仕事において「公」の利まで求めることは、つまり自分の仕事に意味を見出すことであり、「大義」を見出すことでもあります。このように自分の仕事に公の意味づけができるようになると多くの人や企業を味方につけることができるので、強いですね。

著者はこの「公共性」こそが成功の秘訣と述べていますが、本書を読んでいると成功した理由はそれだけではない、と強く感じます。著者は格闘技のジムからスタートし、整骨院、そしてNPOの理事長となっています。そして著者はたとえ格闘家として成功しようとも、整骨院が大きな利益をもたらすようになろうとも、その段階で満足していません。他社から見れば十分に成功しているように見える段階で、次のステップの事を考えて悩んでいるのですね。このあたりが非常に貪欲に感じられます。求めるレベルが非常に高く、単なる成功レベルに終わらず、高い成功を達成できる人というのは、こういう考え方をするのだろうな、と強く感じました。

著者はこの「公共性」を通じて交通事故に関する資格まで生み出しています。このように自己の活動を社会的な活動と紐付け、標準化し、他人や他社を巻き込んでいくという考え方は欧州が非常にうまいと感じていますが、日本でも同様のことができるのだな、と理解することができました。本書を読んでいると、著者の活動がどんどんとスケールアップしており、それがとても面白いです。簡単に読める冊子のような本ですので、ビジネスで悩んでいる方にはおすすめです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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