読書日記525:キャプテンサンダーボルト



タイトル:キャプテンサンダーボルト
作者:阿部 和重 、伊坂幸太郎
出版元:文藝春秋
その他:

あらすじ----------------------------------------------
世界を救うために、二人は走る。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。公開中止になった幻の映画。迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。二人でしか辿りつけなかった到達点。前代未聞の完全合作。

感想--------------------------------------------------
レビュープラス様に献本いただきました。いつもありがとうございます。
今回の献本はいつもと違い、なんと「ブログを書く人が献本してほしい本を選べる」という献本です!本好きにはたまらない仕組みですね。まだベータ版のようですが、ぜひ本格稼動してほしいです!


さて献本に私が選んだのが本作です。伊坂幸太郎さんと阿部和重さんの合作で、伊坂ファンの私としてはぜひ読んでみたい、と思っていました。本屋大賞にもノミネートされていたりと、評価の高い作品でもあります。

危ない橋を渡ろうとしていた相葉と、金に困っていたサラリーマンの井ノ原。偶然に顔をあわせた幼馴染みの二人は、世界を揺るがす謎に巻き込まれていく—。

阿部和重さんの作品は読んだことないのですが、伊坂テイスト全開の作品だと感じました。伊坂作品だと「ゴールデンスランバー」に近いでしょうか。久しぶりに顔をあわせた幼馴染みの二人がひょんなことから世界を揺るがす謎に巻き込まれていく、という作品です。ところどころに過去の回想を交え、過去と現在の二人の姿を交えながら、軽快なテンポで物語が進んでいきます。

東京大空襲の夜に蔵王に墜落したB29、お蔵入りとなった「鳴神戦隊サンダーボルト」の劇場版、致死率の高い感染病である村上病、そして迫り来る銀髪の屈強な外国人「メカゴジラ2.0」—入り乱れる様々な要素に、いたるところに張られた伏線、それらを背景に疾走する相葉と井ノ原。読むと分かりますがタイトルにもなっている「サンダーボルト」は様々な形で本作に出てきます。全てを切り裂いて突っ走るヒーロー、「サンダーボルト」そんな意味でしょうか。百パーセント、満点のエンターテイメント作品ですね。五百ページを超える分厚い本なのに、あっという間に読み終わりました。本当に面白かったです。

いつものことですが、伊坂作品は、どきどきはらはらする場面でもどこかユーモアを感じさせます。そしてそれがすごく生きています。どきどきはらはらさせる場面だけだと飽きてしまいますが、そこにユーモアがあるからこそ、「またこの人の作品を読んでみよう」と思わされます。これは誰にも真似できないのではないでしょうか。好き嫌いが分かれる部分かと思いますが、私はこの部分が大好きですね。そしてそうしたシーンは本作にもいたる所で描かれています。

本作はべたべたのエンターテイメントですね。とんでもない強さの謎の怪人、世界を揺るがす謎、セクシーな美女(?)、謎の裏に見え隠れする大金—。山形県と宮城という、いつもながらの伊坂作品の舞台なのに、そこでこれだけの様々な要素を詰め込んで、さらに男同士の友情的なものまで描いてしまうあたりに、作家としてのうまさを感じさせます。この前読んだ長編、「死神の浮力」がどちらかというと暗い作品だったので、本作のような全開のエンターテイメント作品は、まさに「待ってました」といった感じです。

伊坂作品は「アイネクライネナハトムジーク」も出ていますね。こちらは短編集で、本作同様に本屋大賞にノミネートされていますがまだ読んでいません。こちらもぜひ読んでみたいと思います。あとは阿部和重さんの作品もですね。芥川賞作家ですが、私はまだ一作も読んだことありませんので、いつか読んでみたいと思います。

ーしかし、この献本の仕組みはすごいですね。。。レビュープラス様には本当に感謝しています。ぜひ続けて欲しいです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S
レビュープラス

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巻き込まれる大冒険
Excerpt: 小説「キャプテンサンダーボルト」を読みました。 著者は 阿部 和重、伊坂 幸太郎 なんと2人の合作小説 伊坂作品は数多く読んでいますが、 阿部 和重作は読んだことなく どんなストーリーになるかと..
Weblog: 笑う社会人の生活
Tracked: 2016-05-04 17:25