読書日記515:免疫力をあなどるな! by矢﨑雄一郎



タイトル:免疫力をあなどるな!
作者:矢﨑雄一郎
出版元:サンマーク出版
その他:

あらすじ----------------------------------------------
免疫療法の最前線に立つ著者による、身体の「基礎力」を劇的に高める健康法!「驚くべき機能」が、まだあなたの中に眠っている。手遅れになる前に、「負けない身体」をつくりなさい。

感想--------------------------------------------------
レビュープラス様から献本いただきました。いつもありがとうございます。

本書の著者は、医師から転身してバイオベンチャーを起業した方です。外科医としての生き方から、免疫系—特に樹状細胞(ボス細胞)ワクチンの開発に従事するようになった著者。その著者を魅了した免疫系について、著者の熱い思いと供に書かれた本です。

本書の中では、病気にかかってから対処するのではなく、かからない身体を作ることが大切、と言っています。その「病気にかからない身体」を作る上で重要なのが免疫系、というわけですね。

二百ページ程度の非常に読みやすい本であるにもかかわらず、内容は充実していると感じました。人の身体の中にある二種類の免疫—自然免疫と獲得免疫の説明、さらにその免疫が身体を守る仕組み、その免疫を活性化する仕組みなど多岐にわたって書かれており、知らなかったことばかりだったので一気に読み進めてしまいました。

特に興味深かったのは、免疫細胞の実に七割が腸内に生息している、ということです。多様な食物をとり、腸内の免疫細胞を活性化させることが健康に繋がる、というのは理屈としても理解できます。どれだけ健康的でも偏った食生活はよくない、というところも納得できました。身体にいい料理として醗酵系の料理、特に納豆キムチやヨーグルトがいいというのは読んでいて面白かったです。

免疫力を活性化させるよい方法はないものか、と読み進めていきましたが、やはり「これさえやれば絶対に大丈夫!」という健康法はないようです(当たり前ですが)。適度な運動、バランスの取れた食生活、十分な睡眠、規則正しい生活。当たり前のことを当たり前に行うことがやはり重要だと感じます。これも当たり前のことですが、自分の身体を労わり、大切にする意識を持つことは非常に大事だと感じました。

著者は樹状細胞の開発に現在も邁進されているようです。iPS細胞も話題ですがこうした免疫系の細胞の研究が進み、病気にかからない身体を獲得できるようになったらいいなあ、と素直に感じながら読んだ本でした。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
レビュープラス

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