読書日記510:クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場
タイトル:クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場
作者:小林雅一
出版元:朝日新聞出版
その他:
あらすじ----------------------------------------------
しゃべるスマホ、自動運転車、ビッグデータの解析ー。共通するキーテクノロジーは、AI=人工知能。人間が機械に合わせる時代から、機械が人間に合わせる時代への移行は、ビジネスにどのようなインパクトを与えるのか?クラウド以上の変化を生む、AIの未来を読み解く。
感想--------------------------------------------------
某サイトで課題図書にもなっている本です。AI技術の最新動向を知る上でいい本と思い、読んでみました。「クラウドからAIへ」とのタイトルですが、主に書かれている内容はAIになります
AIは「ルールベース」⇒「統計・確率ベース」⇒「ニューラルネットワーク」と進歩しているそうです。AIの初期段階では言語などの外部入力に対して出力を返すルールを決めていましたが、それだけでは対応できなくなり、大規模データを利用したデータマイニング、果ては脳の仕組みを模擬するニューラルネットワークと進歩しているそうです。初期は全く融通の利きませんでしたが、最近はだいぶ融通が利くそうです。
また、本書では前半にAIの歴史、後半にAIの適用について書かれていますが、個人的には後半の方が圧倒的に面白いです。何でもそうですがやはり「実用」という側面から描くと物事がダイナミックに見えてきますね。特にグーグルやアップル、IBMなどのコンピューター界の巨人とも言える企業がこぞってこの分野に注力しているそうで、この分野の将来性についてうかがわせます。
AIが適用されることでどのような問題が生まれるのか?コンピューターが発達し続けることで人の雇用が奪われたり、人に相対する存在としてAIが存在するようになるのではないか?との議論もされていますが、個人的にはニューラルネットワークを使用したブラックボックス化を図っていくと、いつかはそう言う問題に行き着くような気もします。
個人的にはビットの世界と人間の実世界にはやはりまだ、大きな隔たりがあるように感じています。人と同等に様々な概念をとらえたり、漠然と物事を理解できるようにコンピューターがなるためには、まだまだ時間がかかると思われます。完全に人と同等のコンピューター—どらえもんや鉄腕アトムのような世界ですかね—はそれはそれで非常に面白いのではないか、と個人的には思います。そんな将来への期待を、不安と同時に感じさせてくれる本でもありました。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):
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