タイトル:終物語 (下)
作者:西尾 維新
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
“それがきみのー青春の終わりだ”大学受験当日の朝、北白蛇神社へ向かった阿良々木暦。彼を待ち受けていたのは、予期せぬ笑顔と最終決戦の号砲だったー。すべての“物語”はいまここに収束する…。
感想--------------------------------------------------
物語シリーズの最新巻です。既に十七巻目。……。最初に本シリーズを読んだのは古本屋で「化物語(上)」、「化物語(下)」を見かけたのがきっかけでした。「戯れ言シリーズや刀語シリーズを書いている人だし、どんな物語かなあ」と思って購入したところがこの作者の最長の物語となっていました。。。しかし遂にその物語もいよいよ本巻で幕を閉じます。いやあ、長かった。
最終決戦の前に集結する暦たち。そして遂に明かされる謎。最後の敵の正体とは?そしてその結末とは?
本巻は「まよいヘル」、「ひたぎランデブー」、「おうぎダーク」の三話から構成されます。主人公はそれぞれ言うまでもないですね。シリーズを通して読んでいる人にはおなじみの三人です。そして最終巻ということで、シリーズ通しての登場人物があちこちで顔を出し、勢ぞろいしてます。どんな終わり方をするのか?と思っていたのですが、個人的には終わり方はすごくよかったです。あれだけ物語があちこちに飛び、未来に行ったり、世界が滅んだりしていたのに、よくこんな風にまとめることができるなあ、って感心してしまいました。
しかし読んでて思うのですが、この作者はどこらへんまでこの物語の先々の構成を考えながら書いていたのでしょうね?漢字の意味とか、展開とか、その場その場で考え出しているようにも、先を見通して書いているようにも思えて、それがまた魅力でもあります。浪白公園とか扇とか。とってつけたようでもあり、最初から考えていたようでもあり、物語の終わらせ方もこうしようと思っていたのか、それとも思いつきなのか、分かりません。。。
主人公 暦と各話のタイトルとなる女性キャラとの掛け合いで繰り広げられる本シリーズ、毎回、発売日にはオリコンの本の売上のトップを誇るほどの人気の理由はやはりこの掛け合いのうまさかと思います。最近はこの掛け合いよりも物語展開の方が気になってしまいますが、シリーズが始まった当初の掛け合い、特にメイン女性キャラである戦場ヶ原、羽川との掛け合いは抜群でした。この面白さがあったからこそここまでシリーズが続き、本を買ってしまっているわけですね。
本巻まで来るとキャラクターが増えたからという理由もありますが、一人一人の掛け合いに当初の勢いはありません。戦場ヶ原との掛け合いもやはり面白いのですが、以前ほどの鋭さはないですね(二人が付き合うようになったからと言うのもありますが)。一方で物語の中の謎は膨らむばかりで、最初は何がなんだか分からなかったですが、終わり方はやはりうまいです。あの人、どうなったの?っていう人もいますが(あの詐欺師とか)それはきっとこの次に出る「続終物語」で語られるのでしょうね。終わったと見せかけてまだ終わらない辺りがさすがですが、本当の最終巻の次もとても楽しみです。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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