コミック日記130:進撃の巨人(13) by諫山 創



タイトル:進撃の巨人(13)
作者:諫山 創
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

エレン、ユミルを「故郷」に連れ帰ろうとするライナーとベルトルト。調査兵団は決死の突撃によりエレンを奪還する。だがその代償は大きく、さらにユミルがライナーらの元に残る決断をし‥‥。しかも、エレンとクリスタを巡り事態は急転。調査兵団は「内」と「外」と2つの脅威に対峙する!


感想--------------------------------------------------
ぶっちぎりの大人気コミック「進撃の巨人」の最新巻です。実写映画化もされ、展覧会も始まるそうです。実写映画化の話を聞いたときには「マジか?」と思いましたが、CMを見る限りかなりの出来です。そしてコミックの方は本巻から新たな展開に移ります。

憲兵団に狙われるエレンとヒストリア。逆襲を開始するリヴァイをはじめとする調査兵団。巨人にはどんな謎が隠されているのか…?

巨人との対決が一段落し、ライナーやベルトルトが壁外に去った壁内では人を相手とした新たな戦いが始まります。巨人ほどの圧倒的な恐怖や威圧感はないですが、不気味さが感じられてこれはこれでいいです。本巻は巨人との戦いの描写がない一方で一○四期のメンバーたちの話が多く、読ませます。特にいいのがヒストリアの話です。お嬢様然としていたクリスタと異なり、不安定ながらも人間性丸出しのヒストリアはこれからも鍵となる登場人物ではないかと思います。

あとはリヴァイですかね。口の悪さにも程があるかと思いますが、頭の切れる人類最強の戦士だけあって、相当に頼りになる存在かと思います。キャラクターも立っていていいです。本作は最初の頃はエレン、ミカサ、アルミンの三人しか区別がつかなかったのですが、ここまで来てだいぶ各自のキャラクターが立ってきたように感じます。

本巻はこれまでないほどに人物同士の会話の多い巻ではないかと思います。リヴァイ、エルヴィン、エレン、ミカサ、アルミン、ヒストリア。各人の言葉には作ったところがなく、アニメやコミックでよく見られる軽い言葉や、全く現実離れした言葉がないので、読んでいてリアルさを感じます。おそらく一言一言がよく考えられているのだろうな、と感じます。

次巻は八月ですね。巨人とは異なる内なる敵との戦いは、巨人との連戦に飽きてきた読者に別の切り口で本作のよさを認識させるいい機会かもしれません。巨人との派手な戦い場面だけが見せ場じゃないんだぞ、ってことですね。今にも瓦解しそうな壁内の状況はそれだけでも緊迫感を読者に感じさせます。ウォール教とはなんなのか。エレンとヒストリアに隠された謎は?二人の失われた記憶に共通して現れる黒髪の女性の正体は?王は何を知り、何を企んでいるのか?エレンの父の果たした役割は…?謎は尽きません。次巻も楽しみです。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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