タイトル:終物語 中
作者:西尾維新
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
"神原駿河は、私の姉の娘だよ-眠らせておくには、惜しい才能さ""何でも知ってるおねーさん"臥煙伊豆湖。彼女が阿良々木暦に課す、終幕へ向かうための試練とは?四百年の時を経て、蘇る武者ーこれぞ現代の怪異!
感想--------------------------------------------------
西尾維新さんの物語シリーズの最新巻です。気付けばもう十六冊目なんですね。アニメ化もされ、映画化も予定され、新巻が発売されれば常に売上の上位に食い込むという、もうラノベという範疇に収まりきらない作品です。
校舎で待ち合わせた暦と神原に鎧武者が襲い掛かる。その正体とは—。
前巻である「終物語(上)」が忍野扇がメインのちょっと脇道にそれた推理物だったのに対し、本巻は物語の本道に戻ってきての話になります。本シリーズで語られていなかった、本当にエアポケットのように欠けていた箇所の物語なので、本作を読み終わるといろいろなところが補完されてだいぶ納得感があります。逆に言うとこれまでの物語を読んでいないとほとんど意味がわからないと思います(まあ、これは本巻に限った話ではないですが…)。最低でもアニメの二期を見ておくことが前提の作品ですね。読もうと思われる方はこれまでの本を読むか、アニメを見ましょう。
また本巻では登場人物が非常に豊富です。最初の頃は一つの物語に三、四人しか登場人物が現れず、会話は各物語の主となる登場人物との会話だけで終わっていたように思いますが、本巻では神原、忍、余接、伊豆湖などなど実に多くの登場人物が現れます。物語の広がりを感じさせる巻です。
物語自体も、先に述べたように今まで謎となっていたかけていた時間軸の箇所を埋める作品であるため、これでだいぶ物語自体がすっきりした感があります。もともと本シリーズは時間軸どおりに物語が進んでいくわけではないので混乱しがちだったのですが、ここでだいぶ整理された気がします(気がするだけかもしれませんが)。
物語自体は「しのぶメイル」ということで忍(あと神原)が主ですが、これまでになく満足感のある話でした。見せ場はあるし相変わらず掛け合い漫才のような会話にはキレがあるしで最高です。特に本巻ではキャラクターがころころ変わる余接と暦の会話がキレまくっていて良かったです。
あと本シリーズは二巻で終わりのようです。あとがきの最後で作者が少し意味深なことを言っていますが、いきなり世界が滅んだりと突然とんでもない方向にふっとぶシリーズなのでこの先も気が抜けません。あと二巻も楽しみにしてます。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
↓よかったらクリックにご協力お願いします
レビュープラス
この記事へのコメント