コミック日記122:GIANT KILLING(29)



タイトル:GIANT KILLING(29)
作者:ツジトモ (著)、綱本 将也 (企画・原案)
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
椿と赤崎がU-22五輪日本代表の重責から解放され、ようやくETUに合流!
ところが、ジャパンカップでの連敗をひきずってか、チームの雰囲気はなんだか微妙。
なぜか達海も、明確な改善策を講じない・・・。
チームもまわりも何か違和感を抱えたまま、アウェーの浦和戦に突入してしまう!


感想--------------------------------------------------
サッカー漫画、ジャイアントキリングの最新巻です。快進撃を続けていたETUですが、ここに来て新たな展開を見せてきています。

U22代表戦で大活躍した椿。一方でETUは苦境に立たされる—。

代表で活躍する椿とは裏腹に、本巻では苦しむETUの姿が描かれています。ジャパンカップで連敗、しかも大敗したETUはその苦しみを背負ったままリーグ戦に突入していきます。


「チーム全体に漂ってる、あの妙な空気感ってなんなの?」


達海の言葉ですが、この言葉に現わされるETUの苦しみの根は相当に深いようです。これまでが快進撃を続けてきただけに、苦しみについて描かれているこの巻は読んでいて辛いですね。ここまでの苦境はリーグ戦初めの連敗以来でしょうか。

「変わったつもりになってただけで、一番変わらなきゃいけないところが昔のままだったのかもしれない」

有里のこの言葉は深いですね。サッカーを、勝負事を知っている人でないと書けない言葉ではないかと思います。原案者の意思が反映されている言葉ではないでしょうか。

監督が変わり、勢いに乗って勝てているうちはいいのでしょうが、その強さをチームに植え付け、本物の強さとしていく。この過程を本作でどのように描いていくのか、とても興味のあるところです。そしてこの苦境を乗り越えて本物の強さを手に入れたときにこそ、ETUはリーグ戦で東京ヴィクトリーや鹿島といった強豪と互角に戦えるようになるでしょうし、優勝争いを演じられるようにもなるのでしょうね。またそのときは達海とETUがお互いを卒業するときではないでしょうか。

余談ですがこうした本物の「強さ」を手にした個人やチームは本当に強いですね。調子の波があってもきちんとまとめ、最悪の状況下でも最善のプレーをして最大限の能力を発揮します。このような強さは一朝一夕に手に入るものではないですが、ETUがどのようにしてその力を得て行くのか、楽しみでもあります。しかし、次巻も早く出ないですかねー。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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