タイトル:終物語 (上)
作者:西尾維新
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
真っ暗な眼の転校生・忍野扇。彼女が微笑みながら解き明かす、阿良々木暦の“始点”とは…?高校一年生のあの日、少年は絶望を味わったーこれぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春の、終わりを告げる影がさす。
感想--------------------------------------------------
出れば必ず大ヒットし売上ランキングの上位に食い込む「物語」シリーズ、その最新巻です。気付けばもう十五冊目なのですね……。本は図書館で借りることの多い私ですがこのシリーズは必ず買っています。テレビシリーズも絶好調のようですね。
謎に包まれた一年生にして忍野メメの姪、忍野扇。その扇と暦はとある教室に閉じ込められる。そして暦は一年の時に開かれた学級会での出来事を思い出す……。
毎回読むたびに思うのですが、このシリーズは読み終えるまで物語がどのような展開を見せるのか全く予想がつきません。普通に怪異を退治して終わることもあれば、未来に行って滅びた世界を目の当たりにしたり、幼馴染がラスボス級の神に変身してしまったりと、本当に読者の及びもつかない展開を見せます。このあたりが本作の魅力の一つとも言えるかと思います。予定調和的な終わり方がいっさいないんですね。それでいてちゃんとどの話もしっかり終わらせている。(謎は残っていますが。)それが読んでいてとても楽しいです。(ただ、テレビシリーズだけ見ていると物語同士の繋がりがよくわからないのでは?と思ったりもしますが。)
本巻はどのよな展開を見せるのだろう?と思っていましたが、なんと普通にミステリでした。びっくりです。本巻には三つの話が収録されていますが、そのどれもがちょっとしたミステリとなっていて、そこに扇が絡んできます。謎好き少女ですかね…。
あとは驚いたことに、このラスト三巻前になって完全なる新キャラが登場したりもします。完全にこの巻だけのためのキャラみたいですが、これまたびっくりです。しかも暦のことを何よりも誰よりも嫌いというレアキャラ。なんかいろんな意味で展開が斬新ですね。
普通だと主人公である暦と女子キャラ一名の掛け合いで物語が進んでいくのですが、本巻では「三人での掛け合い」というのもあって、これもまた新鮮です。「再び100%趣味で書きました」と作者は言っていますが、このあたりもその趣味が反映されているのでしょうね。メインヒロインのひたぎと翼が出てきてそれなりに活躍したりするので、本巻は私的にはあたりでした。この終物語、下巻も出るようですが、そこも扇がメインで暴れるのでしょうか。うまく暦と掛け合いを続けていきますが、やはりこの扇が本シリーズの最強にして最後のボスのような気がします。時々、神のような視点から物語を語ったりするのもとても気になったりします。あとはやはり暦は暦だなあ、とか、闇に勝てるのは天才 羽川だけなのかなあとか考えたりもして、物語シリーズならではの面白さは変わらずですね。。。
毎回すごく楽しみにしている本シリーズもあと二冊で終わるというのは寂しい気もしますが、まあいいかげんに引っ張り過ぎな気もします。。。いったいどこにこの物語が着陸するのか(無事に着陸できるのか)、楽しみでもあります。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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