読書日記408:インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 by真梨幸子



タイトル:インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実
作者:真梨幸子
出版元:徳間書店
その他:

あらすじ----------------------------------------------
一本の電話に、月刊グローブ編集部は騒然となった。男女五人を凄絶なリンチの果てに殺した罪で起訴された下田健太。その母である下田茂子が独占取材に応じるというのだ。茂子は稀代の殺人鬼として死刑になったフジコの育ての親でもあった。茂子のもとに向かう取材者たちを待ち受けていたものは…。


感想--------------------------------------------------
本作は「殺人鬼フジコの衝動」の後日談にあたる作品です。ですので「殺人鬼フジコの衝動」を読んでいることが前提となる作品です。

「殺人鬼フジコの衝動」と変わらず、グロい作品です。本作は、猟奇殺人の罪で起訴されたものの、結果として無罪となった殺人犯、下田健太の母、茂子への取材に向かう取材班の視点で物語は進んで行きますが、下田健太が本当に無罪なのか?有罪なのか?そこが焦点となります。

全体的な印象として「殺人鬼フジコの衝動」よりも本作の方がストーリー構成がしっかりしているように感じられました(あくまで相対評価ですが)。徐々に深まって行く謎の描き方や登場人物の心情の描き方が、本作の方がだいぶこなれている印象を受けます。「殺人鬼フジコの衝動」ではフジコのとことんネガティブな心情ばかりが描かれていてやや押し付け気味にさえ感じられ、少し食傷気味にも思えたのですが、本作ではだいぶ抑えて書かれているように感じます。

ただ、物語はやはり大量殺人を描いたものであり、その中に殺人鬼の葛藤のようなものが描かれている訳でもないので、読んでいて感情移入が出来るかというとそうでもありません。また物語展開は後半まではいいのですが、最後の展開が少しいきなり過ぎるように感じました。なんというか、、、そこまでじっくりためて登場人物の心情や謎を描いていたのに、行動と展開が急すぎて少し唖然とした感じです。物語としては一応、かたがついているのですが、、、やはり後味は悪いですね。いくつか張られていた伏線も回収されるのですが、あまり大きな印象は受けませんでした。

グロい描写がどの作品でも売りにされているのですが、そこにうまく登場人物の心理を、葛藤を結びつけて行く必要がありそうです。「女性の怖さ」みたいなものが前面にでているのですが、東野圭吾さんの作品のような、犯罪者のやりきれない葛藤のようなものが描かれてくると、また違った印象の作品になるのではないかと感じました。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


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