2013年04月03日

読書日記407:ブルーマーダー by誉田 哲也



タイトル:ブルーマーダー
作者:誉田 哲也
出版元:光文社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
あなた、ブルーマーダーを知ってる?この街を牛耳っている、怪物のことよ。姫川玲子。常に彼女とともに捜査にあたっていた菊田和男。『インビジブルレイン』で玲子とコンビを組んだベテラン刑事下井。そして、悪徳脱法刑事ガンテツ。謎めいた連続殺人事件。殺意は、刑事たちにも牙をむきはじめる。


感想--------------------------------------------------
女刑事:姫川が活躍する「ストロベリーナイト」シリーズの最新作です。姫川を竹内結子さんが演じてドラマ化され、映画化もされ、まさに絶好調のシリーズです。「ストロベリーナイト」、「ソウルケイジ」、「シンメトリー」、「インビジブルレイン」と読んできましたが、どの作品も非常に充実していて面白く、本作も期待して読んでみました。

池袋の裏社会を生きる者たちを恐怖に陥れた「ブルーマーダー」。「ブルーマーダー」はどうして生まれたのか。そしてその正体は−。

相変わらず本シリーズも面白いです。本シリーズの面白さは、キャラクターの個性ももちろんなのですが、姫川たち刑事側の視点と犯罪者側の視点が交互に切り替わり、その緊迫度を増していくところだと感じます。

どの作品でもそうなのですが、姫川たちの視点から他者の視点に切り替わる箇所があります。最初はそこで描かれている人々が誰なのか、いったい何のことを描いているのか読者にはわからないのですが、読み進めるうちに物語の本筋とリンクしてきて、最後に全体像が明らかになっていきます。この描き方が本シリーズでは本当にうまいです。

姫川たちの描き方が陽だとすると、たいていの作品でその他者の描き方は陰です。犯罪場面の描写が多く、追い詰められた犯人や被害者達の切羽詰った感が高い緊張感で描かれています。そしてその緊張感の高い描写に読者は引き込まれていきます。

本作でもこの手法は変わらず効果的です。詐欺の仲間にむりやり引きずり込まれた男、覚醒剤中毒の男、そして裏社会の者達を次々に葬り去って行くブルーマーダー。最初は緩かった糸が徐々に引き締められていき、最後に一点に集約させていく手際は見事としか言い様がありません。さらに菊田、勝俣、下井といったいつもの面々が個性を発揮して物語を盛り上げていきます。

各登場人物もシリーズを追うごとに少しずつ成長しています。新しい道を歩き始めた菊田、部下と愛した人を失った過去の辛さを何とか乗り越えようとする姫川。このように登場人物の成長を描くことが出来るのはシリーズ物の強みですね。物語がどんどんと面白くなっていきます。ただしこの面白さを知るためには、やはりシリーズのこれまでの作品を読んでおく必要がありますが。

裏家業の者達を全身の骨を叩き潰して葬り去るブルーマーダー。こうしたとんでもない悪役がでてくると物語全体に勢いが付いて読んでいる方は目が離せなくなります。ブルーマーダーが生み出された背景やその正体、最後も良く考えられていて刑事物としては出色のできだと思います。…ただ、一つ難点としては最後がちょっと呆気なかったですかね。もう少しブルーマーダーの後継者が暴れると面白かったかもしれません。

本シリーズもまだまだ続きそうです。次回作も楽しみです。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 誉田 哲也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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