映画日記46:ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 by藤子・F・不二雄

タイトル:映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館
作者:藤子・F・不二雄
出版元:
その他:

あらすじ----------------------------------------------
ある日、昼寝をしていたドラえもんは、謎の男・怪盗DXに鈴を盗まれてしまう。「シャーロック・ホームズセット」で探したところ、未来にある「ひみつ道具博物館」に手がかりが・・・。鈴を取り戻すために、のび太たちは未来へ向かう!


感想--------------------------------------------------
日本人なら誰もが知っているアニメ「ドラえもん」。作者の藤子・F・不二雄さんが亡くなられてからもその人気は衰えることなく、三十年以上にわたってテレビに映画にコミックにとドラえもんは活躍し続けています。今年は毎年映画館で上映されるそのドラえもんの映画を、子供と一緒に見に行きました。私にとっては実に約三十年ぶりの「映画館で見るドラえもん」です。

首につけた「猫集め鈴」を怪盗DXに盗まれたドラえもん。鈴を探しにのび太たちいつものメンバーは秘密道具が集められた、「秘密道具博物館(ミュージアム)」を訪れる—。

三十代の私が、子供の頃初めて読んだ漫画が「ドラえもん」です。以来、コミックは三十巻近くまで集め、映画は初代「のび太の恐竜」から「のび太の宇宙小戦争」まで毎年見に行き、毎週のドラえもんを欠かさず見ていた覚えがあります。しかし当時と比べるとドラえもんも隔世の感がありますね。当時の大山のぶ代さんたち声優陣は水田わさびさんたちに総交代し、技術の進歩と供に作画は格段の進歩を遂げ、主題歌は有名アーチストが歌っています(今年はPerfume)。当時では考えられないことです。しかしそれでもドラえもんはドラえもんです。その根本は今も昔も変わりません。

また子供がたまに見ているドラえもんを見ていても、本作を劇場で観ていても感じるのですが、だいぶドラえもんやのび太たちの感情表現が当時と比べるとオーバーで、ギャグテイストが溢れていますね。向井理さんのような有名人がちょい役で現れたりもして、時世も反映していて、今風でとてもいいです。

最初は「子供向きの映画だろう」と思って子供と並んでみていたのですが、意外にも大人でも十分に楽しめました。しかも藤子不二雄ファンなら思わずニヤリとするような、21エモンのキャラやパーマンの道具の登場もあって、今の子供だけでなく、昔からのファンも楽しめるように作られているあたりはとても好感がもてます。

ドラえもんの映画は、毎年「共生」がテーマになっているそうですね。宇宙人やロボットなどその時々で対象は変わっても、その対象と友情を築き、困難を乗り越えて行く、というテーマは変わらないそうです。しかし本作はドラえもん映画史上、初めてこの「共生」が主なテーマとなっていないそうです。

見終わった後に代わりのテーマは何かと考えると、これはもう「友情」しかないですね。ドラえもんとのび太の友情。最初から最後まで一貫してこのテーマが貫かれ、最後もこの友情を象徴するシーンで終わります。ああ、やっぱり時代を超えてもドラえもんはドラえもんだな、と安心させられますね。

「困っているのび太くんをドラえもんが助ける」というドラえもんの各話の図式はずっと変わりません。そして映画版のドラえもんでも「困っている誰かを助ける」という構図は何十年も前から変わらず、それは「共生」というテーマが外れた本作でも同じです。

「困っている誰かに手を差し伸べて助ける」

これは簡単なようで実は現代ではとても難しいことだと思います。それは助けるために手を差し伸べる側もそうですし、差し伸べられた手を握る側もそうです。全てが高度化し、何もかもが複雑化していく社会の中では手を差し伸べる側にも、その手を握る側にもある程度の勇気や、思慮が必要な時代となっています。「無闇に手を差し出すと何をされるかわからない」「差し出された手を簡単に握ると、何をされるかわからない」そう考える人が増えて行く中で、しかしドラえもんやのび太は彼らを救うためにいとも簡単に手を差し出し、逆に差し出された手を無条件で掴もうとします。いかなる打算もない彼らの姿に、気付かされることは今も昔もたくさんある気がします。

ドラえもんは毎年映画が上映されていますが、日本映画が低調だった時期も含めて、どの作品も毎年必ず大ヒットしているそうですね。そしてついに本作でシリーズ累計の観客数が一億人を突破したそうです。長い間に渡ってドラえもんを愛し続けている人がい続ける証拠ですね。そしてそれは「時代が変わっても、人が心の奥底で求めているものは、ずっと変わらない」ということでもあるのかなと思います。私も、今も昔もドラえもんが大好きですし、これからもきっと好きでい続けるでしょう。昔、子供のときに親とドラえもんを見ていた私が、子供と映画を見に行っていますし、きっとこうした家族は多いのではないかと思います、私は見終わって、また子供とドラえもんの映画を見に行きたい、とも思いましたね。ドラえもんの根本には、きっとそうした誰もが望んでいるものがあるのだろうなと感じました。

…ちなみにドラえもんの映画では最近は本編が終わった後に、来年の作品を予告するようなちら見せ、を行ないます。今回、そこではドラえもんは探検帽をかぶっていました。…ということはまだリメイクもされていないですし、来年は大長編ドラえもん初期のあの作品ですね。「宇宙開拓史」や「海底鬼岩城」、「宇宙小戦争」などと並ぶ、名作だと思います。来年も子供と見に行くのが楽しみです。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック