タイトル:憑物語
作者:西尾維新
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
“頼むからひと思いにー人思いにやってくれ”少しずつ、だがしかし確実に「これまで目を瞑ってきたこと」を清算させられていく阿良々木暦。大学受験も差し迫った2月、ついに彼の身に起こった“見過ごすことのできない”変化とは・・・。「物語」は終わりへ向けて、憑かれたように走りはじめるーこれぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春に、別れの言葉はつきものだ。
感想--------------------------------------------------
西尾維新さんの「物語」シリーズの最新作です。昨年度は二か月に一作という脅威のハイペースで執筆されていたため、今年はだいぶスピードを抑え気味ですね。まあ他にも「悲鳴伝」とか書かれているようですし。しかしそれでも本作も瞬間的にAmazonの本の売り上げランキングで一位を獲得していました。それだけ固定ファンのいるシリーズだと言えると思います。
阿良々木暦を襲った"見過ごすことの出来ない変化"。そしてその変化に対する相談相手として選ばれたのは、影縫余弦と、その式神:斧乃木余接だったー。
相変わらず本作は雑談が多いなーというのが感想です。というか雑談で成り立ってますね。。。妹二人との雑談で物語の三分の一弱が費やされていきますー。まあ全然いいのですが。しかし最近思ったのですが本シリーズって雑談が多くて、さらにキャラの性格も簡単に変わるため(まあ、それが売りなのですが)、物語の本筋を掴みにくいんですよね。なので前回までの粗筋がどうだったか、思い出すだけでも大変です。雑談は思い出せるけど、肝心な本筋が思い出せない・・・。あれ、あいつってどうなったんだっけ?とか考えちゃう訳です。またタイトルもいまいち当てにならなくて、タイトルと関係のないキャラクターの方がむしろ主要な役割を果たしていたりもして、なかなか難しい作品かも?って最近では思っていたりもします。
本巻は阿良々木暦を襲った変化と、その変化への対処方法、さらにラスボス的なキャラクターがちょっとだけ出て来たりとかで、物語自体はいつものような感じです。正直、本筋だけなら三十ページくらいで終わるかもしれません。しかしそれをここまで色々と書きながら膨らませて、面白くして行くのが西尾維新流なのでしょうね。
あとは、、、余接の「例外の方が多い規則(アンリミテッド・ルールブック)」って、ルフィの「ギアサード」みたいな技なのかな、とか思ったり。。。でも一撃で人を粉微塵にしたり、技の反動で空を飛べたり、「例外の方が多い規則(アンリミテッド・ルールブック)」の方が凄そうですね。
本シリーズも十三作目にして流石に「もう少し何か変化が欲しいよ」とも思ったりして少し評価は辛めにしてみました。時間軸もだんだんとよく分からなくなっていたりして、結局どのように落ちがつくのか、それとも西尾維新さんだけに落ちさえもつけずに終わるのか、今から期待が膨らんだり、不安だったり。とにかくこのシリーズもあと二冊「終物語(おうぎダーク)」と「続終物語(こよみブック)」で終わりそうです。思えばこの最終シーズンの三冊はこれまでタイトル名になっていない三人ですね。そのあたりVOFANさんの絵も見れそうで楽しみです。でもこのシリーズが終わると講談社的には痛いでしょうね・・・。次はどんな作品を書いてくれるのか、そちらも楽しみです。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B
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