タイトル:陽だまりの彼女
作者:越谷 オサム
出版元:新潮社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようでーその秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。
感想--------------------------------------------------
「女子が男子に読んでほしい小説No1」というセールス文句に、手にとって買ってみました。この方の作品は初めて読みます。あちこちの本屋で目立つ場所に置かれているのを眼にする本です。
中学時代の同級生、真緒に偶然にも再会した浩介。「学年有数のバカ」と言われていた真緒は美しい女性へと変貌を遂げていた—。
読み始めてすぐに感じたことですが、とても読みやすい本ですね。真緒と浩介、二人を中心に物語は進んで行くのですが、二人の会話のテンポがとてもよく、とんとんと読み進めることができます。三百ページ以上の本ですがあっという間に読み終わりました。
また真緒と浩介、二人の関係がとてもいいですね。間に中学時代の回想を挟みながら進んで行く二人の恋愛模様がまさにバカップルを地で行く感じで、読んでいて微笑ましくなってきます。まさにベタ甘な恋愛小説です。最初の方を読んでいると、二人の会話の書き方がなんとなくこなれていないかな、なんて感じていたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれていきますね。いいです。
一方で「女子が男子に読んでほしい小説No1」というキャッチフレーズはどうですかね…。真緒のキャラクターが男性が思い描く女性像のステレオタイプと言う感じで、男子的には読んでいて楽しくていいのですが、女子的にはいらっと来る人もいるかもしれないな、なんて思いました。二人の描き方があまりにも甘すぎるため、ちょっと受け入れにくい人もいるかもしれませんね。
物語は後半に向けて意外な展開を見せ、最後にはほろっとさせる言い終わり方を見せます。正直、こうした展開は全く想定していませんでしたので驚きました。最後のちょっと感動させる終わり方は個人的にはとても好きです。物語を読み返すとところどころに多くの伏線が張られていたことがわかりますね。楽しくてそして感動して、涙も流すことの出来るいい作品だと感じました。
本作のような作品は映像化に向いていると思います。長期ドラマ化するにはめりはりが足らない気がするので、映画化ですかね。浩介が瑛太で真緒が井上真央かなーとか勝手に想像してしまいます。またラストシーンの映像も簡単に眼に浮かびます。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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レビュープラス
この記事へのコメント
ジュリ
最後はこういう展開になるとは思っていませんでした。
taka
読みやすくて意外性のある展開で、驚きました。
この方の作品は初めて読んだのですが、他の作品も読んでみようかと思いました。