2012年08月01日

読書日記362:ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ by三上延



タイトル:ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~
作者:三上延
出版元:アスキー・メディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれないー。これは“古書と絆”の物語。


感想--------------------------------------------------
「ビブリア古書堂の事件手帖」の第三巻です。既にシリーズ累計で三百万部突破だそうで、物凄い売れ行きです。そしてこの三巻、私もとても楽しみにしていました。

鎌倉にある古書店、「ビブリア古書堂」。そこの若い女性店主:篠川栞子と店員:五浦大輔は今日も客の持ち込む謎を解決していく−。

本シリーズのどこが読む人を惹き付けるのか?と考えたとき、いくつか挙げられるポイントがあります。まずは各章のタイトルとなっている数々の古本に関する逸話。本巻では宮澤賢治の『春と修羅』などが収録されていますが、よくこれだけの内容について調べられたな、と思います。古書に関するその知識たるや、並大抵のものではありません。相当に調べていないとこれだけ書けないよな、と思います。

そして二つ目が「ビブリア古書堂」の存在する北鎌倉の風景描写が挙げられると思います。物語の所々で描かれている静かで風情のある街並みが物語の影の引き立て役であると言ってもいいかと思います。

そして最後、これが最も大きいと思いますが、主人公:大輔と店主:栞子、そして彼らを取り巻く登場人物の数々、その関係、これがとてもいいですね。ラノベ出身の作者であるにもかかわらず、大輔と栞子の関係をかなり抑えて描いています。その代わりに古書と、各章で登場する人物達の関係を前面に押し出し、毎回、ちょっとした感動を最後に用意しています。こうした描き方により、物語がラノベチックな展開に陥らず、万人に受け入れ易い物語として展開することができています。

古書に彩られた様々な人間模様。その描き方とその裏でゆっくりと展開する主人公達の人間関係の物語。これがやはり本作の魅力なのでしょうね。本巻では特に栞子と、失踪した栞子の母の関係が描かれています。古書のこととなると目の色を変え、時には犯罪的なことに手を出すことも厭わなかった、栞子の母、智恵子。彼女が今後の本作の展開の中心になっていくであろうことは、間違いないでしょうね。

次の巻は冬に出てくる予定とのこと。これだけのリサーチをしているのですからしょうがないですが、ファンとしてはぜひ早く読みたいですね。次の巻も楽しみです。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 00:03| Comment(0) | TrackBack(4) | 三上 延 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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