読書日記305:鬼物語 by西尾維新
タイトル:鬼物語
作者:西尾維新
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
阿良々木暦の影に棲む吸血鬼・忍野忍。彼女の記憶から呼び覚まされた、 “怪異を超越する脅威”とは…!?美しき鬼の一人語りは、時空を超えて今を呑みこむー!!
感想--------------------------------------------------
つい先日も「少女不十分」で紹介したばかりの西尾維新さんの作品です。本書も出版された瞬間、本の売り上げランキングの総合一位を獲得していました。出す本出す本、全て必ずといっていいくらい、売り上げランキングの一位になっていますね。出版の速度も半端なく速いですし、暫くは西尾維新さんの時代が続きそうです。若干ネタバレですのでご注意を。
阿良々木暦と八九時真宵の前に突如現れた『くらやみ』。全てを飲み込むその『くらやみ』をきっかけに、最強の吸血鬼、忍の過去が甦る—。
本書は再び語り部が主人公である阿良々木暦に戻っていますね。時刻暦的には「傾物語」の直後からの開始となります。語り部が阿良々木暦に戻っていることもあってか、いつもの物語シリーズに戻った気がします。
本書に収録されているのは「しのぶタイム」ということで最強の吸血鬼である忍野忍の話かと思いきや、メインは八九時真宵ですね。確かに忍の話も多くの部分を占めるのですが、だれがメインかと聞かれれば、それは間違いなく八九時真宵です。ここら辺が「傾物語」と逆ですね。あちらは「まよいキョンシー」という八九時真宵の話かと思いきや、忍がメインのような話でしたし。
文体や語り方、話の進め方はこれまでの物語シリーズを踏襲しています。ここらへんは暦が語り部に戻ったことでかなり安定していると感じます。あと、本作で出てくるメインキャラクターは忍野忍、八九時真宵、斧乃木余接の三人なのですが…忍:八歳、真宵:十歳、余接:十二歳と、幼女と少女と童女しか出てこない…。この作者は大丈夫なのだろうか、とかちょっと考えてしまいます(笑)。しかも全作読んでいるにもかかわらず、『斧乃木余接ってだれだったっけ?』って考える始末でした…。
ストーリー自体は今回は盛大なバトルもなく、忍の過去の話や四人の会話で成り立っていてこれはこれでとても面白かったのですが、最後は『え?』って感じでした。あー、こうなっちゃうんだ、という真っ当といえば真っ当な展開に少し驚きました。あとはラストで現れる忍野扇の存在ですね。彼女の存在はなんなのか、どういう役割を果たすのか…。彼女の弁を借りると、彼女事態がこの物語シリーズの『くらやみ』のような役割を果たしそうですが…。次回作でうまく終わるのか、それとも第三シリーズに続くのか、彼女の存在が左右しそうです。
あとは次回作、「恋物語:ひたぎエンド」で第二シリーズもおわりですね。ツンデレを超えてツンドラに進化した戦場ヶ原ひたぎ。彼女は第二シリーズではほとんど出てきていませんが、彼女がどう変わったのか、はたまた何も変わっていないのか、とても楽しみです。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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この記事へのコメント
know_the_base
鬼物語で検索してきました。
物語シリーズ面白いですよね。
化物語のアニメ版を友人に薦められて、そこから入ったのですが、ハマって小説も一気に読みました。
恋物語が楽しみすぎます。
トラックバックもさせて頂きました。
でわ、おじゃましました。
taka
物語シリーズは全作読んでいるのですが、特に最近は毎回、終わり方に驚かされますね。本当に面白いです。
西尾維新さんの作品ではあとは「クビキリサイクル」から始まる戯れ言シリーズもおもしろいですよ。
またぜひいらして下さい。